学生アパート経営の今!学生向け賃貸経営のメリット・デメリットを徹底解説!

学生アパート経営の今!学生向け賃貸経営のメリット・デメリットを徹底解説!

賃貸アパートの退去のタイミングは、最初の更新を迎える2年と言うタイミングが最も多く、全体で見ても入居者の平均入居期間は2~3年であると言われています。
そんな中、4~6年、博士課程に進むなどの場合によってはそれ以上の入居期間の見込める大学生向けのアパート経営はとても魅力的に映るかと思います。

特に都心においては高利回り物件を実現しやすい学生アパートですが、そう簡単なものでしょうか?

この記事では、賃貸管理会社出身の私の目線から、学生アパート経営をする上で大切なターゲット層についてや、メリット・デメリット,取り組む為のアドバイス等について解説してきます。
これから学生アパート経営を始めたいという方は、特によく読んで参考にしてください。

1.人口減でも学生アパート経営なら戦える?

日本の人口が減少し始めてから久しく、賃貸経営を営む、または志す皆様にとっても、日本全体で見ると市場規模縮小傾向というのは周知の事実でしょう。

賃貸経営と人口について話題は、このサイトでも過去取り扱っておりますので、合わせて参考にしてみて下さい。
※参考:安易に「伸びている、拡大している」は危険!賃貸市場と出生率の話

こんな人口減、まして「子どもが減っている」という状況の中で、今学生アパート経営を始めることに懐疑心がある方も多い事かと思います。
しかし実は、特に大学生・大学院生をターゲットとする学生アパートにとって、追い風となるデータもあるのです。

文部科学省の令和2年の学校基本調査(確定値)の公表内容によると、高等教育機関(大学・専門学校・短大・高専など)への進学率は83.5%にものぼり過去最高値。
また、大学・大学院の在学人口に関しても、調査開始時の昭和23年からほぼ右肩上がりに増え続けている現状です。

下記します調査のリンクの、【参考】各学校段階ごとの在学者数の推移(図1)の下のグラフ・図3 高等教育機関への進学率、を見て頂けると分かりやすいかと思います。

こうしたことから、学生アパートはターゲット層の人口は減っておらず、様々な工夫をしないと生き残りの難しくなってきた賃貸経営全体として見ても、比較的戦いやすい戦場であると言えます
(競合多いので、当然それなりの準備や考え・工夫は必要になりますが・・・)

※参考(外部リンク):文部科学省「令和2年度学校基本調査(確定値)の公表について」

2.学生アパート経営のメリット

学生アパートには、学生アパートならではの利点が多々あります。
その中でも代表的なメリットについて見ていきましょう。

2-1.安定した入居期間

まずは、この記事の冒頭でもお伝えした「入居期間」についてお伝えします。

賃貸物件への平均入居期間は2~3年、まして単身向けアパートですと特に入居期間の短さがネックとなりやすいです。

そんな「単身向けアパート」ではありますが、学生向けの賃貸物件ではメインターゲットは大学生・大学院生ですので、入居が決まってしまえば4年からそれ以上間入居していることがほとんどです。
大学のキャンパスの場所が変わったり、休学したりなどの理由が無い限り、在学中に転居することは少ないですからね。

あわせて、退去の時期もほとんどの場合は一定であることも、経営のしやすさの一助となります。

2-2.高い収益を実現しやすい

2つ目に、「収益性の高さ」です。

学生向けの賃貸は1Kや1Rといった単身向けの間取りが一般的です。
大きめの専有面積を必要とするファミリー向けの賃貸物件と比べ、単身向けの場合は同じ建築面積だとしても多くの部屋数を詰め込むことが出来ます。

世帯数が多くなればなるほど、物件の収益は大きくなりますので、収益性の高い賃貸を実現しやすいということです。

<ちょっと一言>

当然、広いファミリー向け賃貸の方が、単身向けよりも高い賃料に設定されます。
ただし、入居者の払える金額の限界やこれまで作られてきた相場の関係で、部屋が広くなればなるほど面積当たりの賃料(いわゆる坪単価や平米単価)は低くなっていく傾向があります。
募集の出ている賃貸物件の賃料を専有面積で割って計算してみると良く分かりますよ!

2-3.家賃滞納リスクの低さ

入居者が学生である場合、入居者の親御さんが賃料を支払っているケースがほとんどです。

その為、一般的な単身向けアパートのターゲット層に比べても家賃滞納のリスクが格段に低いことは、学生向けである大きなメリットの1つです。

賃貸経営をする上で滞納リスクというのは、最も大きなリスクであると言っても過言ではありませんので魅力的な利点ですよね。

3.学生アパート経営のデメリット

ここまで学生アパートのメリットについてお伝えしてきましたが、一方で数々のデメリットも存在します。
やはりここでも、その中でも代表的なものについて見ていきましょう。

3-1.空室期間のリスク

まずは「空室期間」についてです。
空室リスクは滞納リスクと共に、賃貸経営をする上で最も大きなリスクの1つですが、学生アパートはここに大きなデメリットを伴いがちです。

退去の時期がある程度一定であることは先にお伝えしておりますが、入居の時期についても同様のことが言えます。
他のターゲット層よりも学生はその傾向が顕著です。
入学に合わせて入居し、卒業に合わせて退去するのが学生の一般的な動きですから、当然ですよね。

つまり、ひとたび入居の繁忙期を逃してしまうと、その後丸1年入居を見込み辛くなってしまうのです。
ここで手を打たず、1年もの間空室となってしまえば、せっかくの高い収益性も台無し・・・寧ろ低収益物件へとなり下がることとなってしまうのです。

3-2.学校の動きに収益が左右される

ここ数年は「大学の都心回帰」なんていう話題もよく耳にします。

こういった大学の移転や、場合によってはキャンパスの縮小などの影響をもろに受け、収益性が激減してしまう可能性を持っているというのも、学生アパートのデメリットです。

学生アパートを始めようと思っている立地の近くの大学の動向などをしっかりと調査してスタートすることが必要不可欠となってきます。

※参考(外部リンク):【キャンパス移転・新設情報】大学は高層化などで、キャンパスの都市部回帰が続く!!国際系は新校舎のイメージ。

3-3.競合物件の多さ

冒頭でお伝えした市場性の面、またメリットでお伝えした収益性の高さから、競合物件が多いこともデメリットの1つです。

競合物件が多いということは入居者の取り合いが激しいということですので、入居者を取り込む工夫・物件の熱心な営業などにとどまらず、敷金礼金を低くする・フリーレントを付ける・家賃そのものを安くする、など価格競争にも発展しやすいのが苦労する大きなポイントです。

後述します「学生向け賃貸を始める上で気を付けること」や、その場所に合った工夫や気配りをしてあげないと、すぐに淘汰される側になってしまいますので気を付けましょう。

4.学生向け賃貸を始める上で気を付けること

せっかく収益性の高い学生アパートですが、お伝えしてきたように、その高い収益性を得るためのハードルとなる大きなデメリットが存在しています。

これらのリスクを出来る限り小さくし高い収益性を得るためには、気を付けなければならないことが沢山あります。

学生向けですので、大学の有無は勿論、大学へのアクセスなどの立地面は当然気を付けなければならないポイントですが、他に私が気を付けて欲しいと思うものについて、いくつかご紹介しますので是非参考にしてみて下さい。

4-1.学生アパートの設備

お部屋を選ぶ入居希望者は、自分の入る物件の設備に拘りたいのは当たり前のことです。
比較的賃料が低めに設定されることの多い学生アパートにおいても、「どうせ学生アパートだから」とないがしろにしてはいけません。

先にお伝えした通り、学生アパートは競合の多い市場です。
その中で淘汰されないために、一人暮らしの学生にとって好まれる設備を導入することを強くオススメします。

具体的には、初めての一人暮らしでも掃除の楽なIHコンロ、多くの学生の足となる自転車を守る屋根付き駐輪場、洗濯物を外に干したくない人の助けにもなる浴室乾燥機などです。

その他にも学生アパートにオススメな設備は多々ありますし、その場所に合わせた必須設備なんかも多々あります。
当店へご相談頂ければ、あなたの物件の設備についても無料でアドバイス致しますよ!

4-2.学生に固執し過ぎない

デメリットでお伝えした通り、空室リスクが大きいことが学生アパートの難点の1つです。
ターゲットを学生だけに限定してこだわり過ぎると、それこそ丸1年空室という厳しい現実を突き付けられる可能性が非常に高くなります。

そこで学生向けと思い始めたアパートではあるものの、単身サラリーマンなど、所謂一般的な単身アパートのメインターゲット層に向けても並行して宣伝・営業活動を行うことをオススメします。

管理会社や仲介業者と相談しながら、空室のリスクを出来るだけ下げて経営したいものです。

4-3.賃料よりも入居率

先にお伝えしました通り、学生が入居するということはその親御さんが賃料を支払っていることがほとんどです。
大学の学費や教材費など、家賃以外にもかなりの出費を同時に負担しています。

学生アパートにはある程度の安さが求められます。
ひとたびタイミングを逸すると1年空室の恐怖が付きまとう学生アパートですから、近隣の同間取りの相場よりも少しだけ安い賃料で募集するのが良いでしょう。
意識としては「多少の賃料よりも高い入居率の維持」という意識で挑む様にして下さい。

ですが、安さばかりを求めて設備をケチっても淘汰される側になってしまうので気を付けて下さいね。
バランスが大事です。

4.まとめ

今回は、高い収益性が魅力の学生アパート経営についてお伝えしてきましたが、如何でしたでしょうか。

ここまでの内容を簡単にまとめます。

<学生アパートのメリット>
・安定した入居期間の長さが見込める
・部屋数の確保がしやすく高い収益性が見込める
・親御さんの支払いがほとんどのため滞納リスクが低い

<学生アパートのデメリット>
・入居時期が決まっていて空室期間が長くなりがち
・学校の移転や縮小等で収益が激減する可能性がある
・収益性の高さから競合物件が多い

これから学生アパートの経営を始めたいという方は、こういったメリット・デメリットを理解した上で、私のお伝えしてきた気を付けることも念頭に置いて始めてみて下さい。
何も考えずに始める人より、1歩も2歩も先からスタート出来ますよ!

また、当然その場所ならではの気を付けなければならないことや、計画に合わせた注意点・付加価値として費用対効果の高い設備なんかも多々あります。
個別の案件には、当店が無料でコンサルティングしておりますので、是非是非、当店へお問い合わせ下さい!

なば屋への問い合わせ

皆様の賃貸経営が、これまでよりも少し上手く行くようになると嬉しいです。

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