【2020年度版】令和2年度路線価が公表されました。5年連続上昇
令和2年度の路線価が公表されました。5年連続上昇
本日令和2年7月1日、国税庁は贈与税や相続税の算出基準となる令和2年度の「路線価」を公表しました。
今回の記事ではタイムリーに本年度分の路線価についてお伝えしていきたいと思います。
全国平均については5年連続の上昇。中には、「このコロナ禍で?」と思う方も、もしかしたらいるかもしれません。
それでは本年度の路線価について、まずは路線価のご説明から始めていきます。
路線価とは
ここではざっくりとご説明します。
ものすごく簡単にまとめてしまうと、道路に面した土地の価格のことです(1平米辺りの金額です)。土地の面した道路ごとに路線価が設定されます。土地の価格を面した道路に適用したの路線価を元に計算します。
それぞれの土地に路線価を照らし合わせた金額が、その土地の相続税評価額となります。
具体的には、例えば
Aさんが相続した土地は、接道が1本、土地の広さが10平米とします。
調べてみると接道の路線価は100,000円でした。
この場合Aさんは
10平米 × 100,000円 = 1,000,000円
1,000,000円の評価額の土地を相続した、ということになります。
※実際には路線価の表記は「○○千円」です。
この他にも不動産市場においてよく使われる価格は「公示価格」「実勢価格」などがあり、混同しがちです。また機会があれば細かくご説明します。
令和2年度の路線価について
さてそれでは、本年度の路線価についてお伝えしていこうかと思います。
まずは多くの人は様々な土地の路線価をあまり調べることはないと思いますので、全国の路線価最高額から。本年度の路線価の最高額は、東京銀座の鳩居堂前で、今年でなんと35年間も連続で全国1位ということになります。
その金額はなんと、45,920千円/平米!!驚きの金額ではありますが、これまでからするとやや低めの上昇率0.7%にとどまっています。これは、周辺の再開発が一通り済んだことによる影響が大きいのではないかと思います。
そして次に全国平均。今年は前年比で1.6%上昇し、これで5年連続の上昇となりました。昨年の1.3%と比較し、上昇率自体も上昇しています。この結果は訪日外国人需要の影響で都市部の上昇が相次いだ点と、合わせて地方都市の上昇も多くみられたことによります。
ここで、冒頭お話しした
「あれ?このコロナ禍で?インバウンド需給もくそもないじゃん」
と思われた方も、もしかしたらいらっしゃるかもしれません。
実はこの路線価は1月1日を評価時点としているので、どちらかと言うと前年の地価などの動きを参考に算定されています。なので、この度の新型コロナウイルスの感染拡大による地価変動には影響を受けません。
来年度の路線価は下落しそうですね。
ちなみに国税庁は新型コロナウイルスによる経済活動の低下が著しい場合、路線価を減額修正できる措置を検討しているそうです。
全国の主要都市についても見ていきます。ここでは特に都道府県庁所在地の最高路線価について、全国平均が上昇しているという数字以上に、全体の上昇傾向を表すものになりました。
本年度最高路線価が横ばいとなった都道府県庁所在都市は、8都市。
下落したのは全国で水戸市の1都市だけ。
そして上昇したのが昨年より5都市増えて38都市、でした。中でも那覇市は40.8%もの上昇率でトップ。都道府県別で見ても沖縄県が10.5%の上昇率でトップとなりました。
ちなみにこの路線価は国税庁のHPで誰でも見られるので、気になる土地や、ご自身の住まいの辺り等、調べてみてはいかがでしょうか?
国税庁-路線価 https://www.rosenka.nta.go.jp/
終わりに
この記事では本年度の路線価の推移に着目してお送りしてきました。
賃貸経営においても、マクロに見れば「路線価の上昇傾向の強いエリア程、将来性が担保される」傾向は強いとは思います。この路線価の情報は当然、賃貸経営に活かしていくべきだと思います。
ですが、賃貸経営はそれだけで上手くいくほど簡単なものではありません。当店の過去記事(コロナ禍でも1K・1Rには影響なしって本当?居住用不動産投資のこれから https://nabaya-consulting.com/archives/476 )でもお伝えしましたが、その土地ピンポイントでの市場性をしっかりと理解し、傾向と対策を練る必要があります。
まして、今年に関しては新型コロナウイルスの影響で年度の途中で地価が大きく変動する可能性も大きく含んでいます。
慎重に、堅実な賃貸経営を心掛けましょう。
当店は無料のコンサルティングを行っていますので、コンタクトフォーム、またはメールで、是非お気軽にご相談ください。