建蔽率と容積率?数値の調べ方や建蔽率の緩和条件も解説!

建蔽率と容積率?数値の調べ方や建蔽率の緩和条件も解説!

建蔽率と容積率?数値の調べ方や建蔽率の緩和条件も解説!

どうも、なば屋のモノグサ店長です。

前回の記事では、意外とちゃんと理解されていない「用途地域」について解説しました。

「そもそも用途地域とは」といったところから、13種類の用途地域の概要のご説明と一覧表も作成しました!保存版として利用出来る記事・一覧表かと思いますので、是非ともこちらもチェックして下さいね。

用途地域をご説明するにあたっては、「建蔽率(けんぺいりつ)」「容積率(ようせきりつ)」が大事なチェックポイントになったわけですが、今回、その「建蔽率」と「容積率」について詳しくご説明していこうかと思います。

せっかくですので、建蔽率と容積率を調べたい土地での数値の調べ方についてもお教えしようと思います。



建蔽率と容積率

まずは、前回の用途地域でも少しだけ触れましたが、建蔽率と容積率についてご説明します。

どちらも「この土地にならこのくらいの建物なら建てていいですよ」という指標になる数値なのですが、それぞれの意味は似た様で全く違うものですので、混同しない様に気を付けましょう!

建蔽率とは

建蔽率とは敷地面積に対する建築面積の割合のことです。

言い換えると、「その土地の内、どれだけの面積に建物を建てることが出来るかの指標」と言えます。

土地に対して「○○%」という数値が定められているのですが、敷地面積にその割合を乗じることで、建てられる建物の面積の限界値が求められます。

例えば、敷地面積が100㎡、容積率60%の土地があったとすると、

敷地面積100㎡ × 容積率60%(0.6) = 60㎡

この土地の100㎡の内60%にあたる60㎡分まで建築に利用することが出来る、ということです。

ちなみに、実は建蔽率は地域毎に割り当てられているものなのですが、稀なケースとして、建蔽率の異なる地域にまたがる土地も存在します。
この場合、それぞれの面積の割合によって案分された数値がその土地の建蔽率になります。

具体例としては、敷地面積1,000㎡の内、600㎡が建蔽率60%、400㎡が建蔽率80%とします。
この場合、この土地は

600㎡ × 60% + 400㎡ × 80% = 680㎡

680㎡に建築可能で、この土地の建蔽率は68%ということになります。

※補足 もっと知りたい!

この様に土地が地域をまたぐ場合、建蔽率の計算は上記の通りですが、用途地域については、過半数を占める地域が適用されます。
例えば上記の例の600㎡分が第一種住居地域、400㎡分が商業地域だった場合、この土地は過半数を占める第一種住居地域となります。

ちなみに建蔽率は土地の条件によって緩和されることがあります。

その緩和の条件については後述します。

容積率とは

容積率とは敷地面積に対する延べ床面積の割合のことです。

言い換えると「その土地にどれだけの床面積を持つ建物を建てられるかの指標」と言えます。各フロアの床面積の合計の数値が制限されることになりますので、高さ制限とは別方向からの「何階建てまで建てられるかの指標」とも言えます。

こちらも建蔽率と同様に「○○%」という数値で表されます。同じく敷地面積に乗じることでその土地に建てられる建物の延べ床面積の限界値が求められます。

例えば、敷地面積100㎡、容積率200%の土地なら

敷地面積100㎡ × 容積率200%(2.0) = 200㎡

となり、この土地には延べ床面積200㎡の建物まで建てられる、ということになります。

仮にこの土地の建蔽率が60%だったとして、容積率と合わせて計算して「三階建てが限界かな」という指標にもなります。

ちなみに、違う地域にまたがる土地の容積率については、建蔽率と同様にそれぞれの地域の割合によって案分されます。計算方法は上記建蔽率の計算の例をご参照ください。

尚、建蔽率は地階(地下室)やベランダ、駐車場などで緩和を受けることが可能です。詳細は、「建築面積」のご説明も必要になってくるかと思いますので、別の機会にまた改めて解説しようかな、と思っています。

建蔽率・容積率の数値の調べ方

建蔽率や容積率は自分で調べることが可能です。

市役所や区役所の都市計画課に電話すると、該当土地の建蔽率や容積率、用途地域などを教えてもらえます。
また、自治体のホームページなどで「都市計画図」が公開されていることもあるので、それを確認するのも手です。

 

というのは、まあ、建蔽率や容積率の調べ方の定型文、ですかね。

もちろん、これで調べることは出来ますが、個人的には前回もご紹介した用途地域マップを利用するのが、一番お手軽でオススメです。
実際私はほとんどの場合用途地域マップを使って調べています。

用途地域マップ

使い方は前回の用途地域の解説の記事でご案内してますので、もし使ってみて分からなければこちらの記事をご参照ください。

この用途地域マップでは、用途地域を調べるだけでなく、そのエリアの建蔽率と容積率もクリックするだけで表示してくれます。

さいたま市岩槻区の例

この画像の様に、同じ用途地域でも建蔽率や容積率が違う場合色分けしてくれるという親切っぷり!
ほんと、いつもありがとうございます!笑



建蔽率の緩和条件

さて、それでは先に後述しますとお伝えした「建蔽率の緩和条件」についてお話ししようと思います。

建蔽率の緩和条件は大きく分けて

角地緩和

地域地区による緩和

の二つです。

それぞれどの様な条件において緩和されるのか解説していきます。

角地緩和

角地とは、道路が交差する角にある土地のことで、土地がこの角地にあたる場合は、建蔽率の上限が10%加算され緩和されることがあります。

その条件は
・土地が角地で接する道路二つがそれぞれ敷地に2m以上接している
・その土地を管轄する特定行政庁が定めた「建築基準法施工細則」を満たす
の2点です。

この建築基準法施工細則はグーグルで「地名 (スペース) 建築基準法施工細則」と検索すればすぐ出てきます。

この角地緩和ですが、角地だけでなく、道路に挟まれた土地でも適用されます。
この場合も条件は同じで、「接道がそれぞれ2m以上接している」「建築基準法施工細則を満たす」必要があります。

二面接道なら角地緩和を受けられるかも!ということです。

また、公園や川に面している土地でも、接道が一本でも適用される場合があります。

あなたの計画が「適用するかも」と思ったら、自治体の建築指導課に問い合わせて確認してみましょう!

地域地区による緩和

次に地域地区による緩和です。

地域地区についても、用途地域の記事で触れています。ご参照ください。

緩和を受けられる地域地区は「防火地域」「準防火地域」です。

これらの地域で、その地域の目的に則した建築物を建てることで建蔽率10%増加の緩和を受けられます。

具体的には、

防火地域で「耐火建築物」「延焼防止建築物」のいずれかを建てる
準防火地域で「耐火建築物」「延焼防止建築物」「準耐火建築物」「準延焼防止建築物」のいずれかを建てる

という条件です。

尚、この準防火地域の建蔽率の緩和は2019年6月に施工されたもので、当時の建築基準法改正の大きな注目ポイントでした。

特に都市部では準防火地域に指定されているエリアは非常に多いです。
ここ最近はこの緩和を使って建築する建物が増えてきています。

まとめ

今回は建蔽率・容積率の解説と、建蔽率の緩和条件についてお伝えしてきました。

最後にまとめます。

建蔽率は「その土地の内どれだけの面積に建物を建てられるか

容積率は「その土地にどれだけの延べ床面積の建物を建てられるか

建蔽率・容積率の数値は「用途地域マップ」で調べましょう!

建蔽率は「二面接道」もしくは「防火地域・準防火地域」で10%緩和を受けられる

前回に引き続き、少しお勉強っぽくなってしまいましたね。

せっかくこの記事を訪問してくれたのであれば、しっかり理解して今後の賃貸経営計画に活かして頂けると幸いです。



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