【不正行為】安易な賃貸又貸しや自宅の貸し出しに要注意!

【不正行為】安易な賃貸又貸しや自宅の貸し出しに注意!

安易な賃貸又貸しや自宅の貸し出しに注意!

どうも、なば屋のモノグサ店長です。

今回の記事では珍しく導入から事例を紹介していきたいと思います。

最近知り合いの社長から、「事務所を縮小するから、空いたスペースをどこかに貸し出したいんだけど」という相談を受けました。この事務所は賃貸物件です。

「基本的には、転貸禁止っていう賃貸借契約が多いよ。」ということをお伝えした上で、念のため賃貸借契約書を確認させて頂きましたところ、案の定転貸は禁止されています。

その後貸主さんと少し相談された様で、貸主さんから「○○という条件であればOK」との妥協点を提示いただいた様ですが、その条件のクリアがなかなかハードルが高く、断念しています。

基本的には貸主さんが承諾した場合に限り転貸借が可能になります。

その社長は何とか貸す方法を、素人考えで「これが出来る!」「あれが出来るんじゃないか!」「あそこの会社がこうやってる」等と言って、いつまでも限りなくブラックに近いグレーな方法を画策しているので、

「実際問題、抜け道的にやれる方法は無くはないし、そういう方法を案内してしまっているアウトローな不動産業者なんかもいるし、実際やってる会社や個人もいるよ?だけど当然アウトな方法だし、責任とれるの?解約条項にも当たるよ?急にここから追い出されて仕事大丈夫?社会的な信用も無くすよ?」
と、こっぴどくお説教をしてしまいました・・・。

 

こんなことがあったものですから、賃貸借契約や民法等々に詳しくない、普通の借主側の立場の感覚だと、あまり「まずいこと」であるという意識が無いのかな、と思い、今回の記事の執筆に至りました。

せっかくですので、又貸しだけではなく、ちょっとありがちな短期間賃貸のケースもあわせてご紹介します。



そもそも転貸は基本NG

冒頭にもお伝えしましたが、転貸は基本はNGです。

賃貸借契約書内に、禁止事項として
本契約における賃借権を第三者に譲渡し、または転貸すること
などと書かれているケースがほとんどです。

ただし、オフィスや店舗等、転貸は商習慣である部分もあります。一概に悪いことと言えない部分があるのも確かです。

まずいのは、「無断転貸」です。

ちなみに、賃貸借契約書の禁止事項として記載が無くても、無断転貸することは禁止されています。下記をご覧ください。

賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができない。
賃借人が前項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができる

賃借権の譲渡及び転貸の制限。民法第612条からの引用です。

テナントの転貸

当然、無断転貸はNGです。

もし自分のテナントを転貸しようと考えている方がいたら、貸主の立場になって考えてみて下さい。

例えば飲食店OKのテナントだったとします。

あなたが静かな喫茶店を経営していましたが、お店を移転または縮小することになり、元々使っていたスペースを同じ飲食店を経営する友人に貸し出したとします。
例えば、騒がしい居酒屋さんや、煙がモクモクの焼肉屋さんだとしたらどうでしょう?

静かな喫茶店だと思い、賃貸借契約を締結していた大家さんが知れば、気が気ではありません。

新しく入った入居者との面識も無いでしょうし、話もし難いことでしょう。

 

もちろん、こういったケースばかりでなく、そもそも許可していない人を他人の所有物に勝手に居座らせる行為です。

モラル的にダメなことなのは当たり前ですよね。

自宅アパートやマンションの転貸

賃貸している自宅に、例えば「長期出張でしばらくいないから親族を住まわせる」だったり、「転勤するけど数年後戻ってくるかもしれないから友人に住まわせる」等ということを無断で行っているケースは、意外と身近で横行しています。

こういったケースは、例えば防犯の為であったり、物件に対しての魅力を感じているから、という部分がありますので、きちんと説明をして、ある程度短期間であれば承諾されるケースも無くはありません。
(期間が長期になる場合の多くは一度解約して再度入居する場合は改めて契約ということの方が圧倒的に多いと思いますが)

貸主の承諾なく、無断で行うことが問題なのです。

テナントの場合と同じく、許可していない他人を勝手に占有させるのですから、モラルに欠けていますよね。

中には、お値打ちな物件なのは貸主のご厚意であるにも関わらず、儲けの為に無断賃貸する輩もいるとか・・・。
もっての外ですね。



そもそも賃貸借契約は・・・

そもそもの賃貸借契約の、最も根幹にある部分に着目します。

もしかしたら、「自分のお金を払って、このスペースを占有しているのだから、自分がどう使ってもいいだろう。だったら人に貸したって勝手じゃないか」等と思っている入居者もいるかもしれません。

賃貸借契約は、借りる側も「この物件・お部屋なら借りてもいいかな」と考えて決めますが、貸す側も「この人になら貸してもいいかな」という、当事者間の信頼関係を大前提として締結する契約です。

貸主からすると、知らぬ間に信頼した覚えのない他人が入居していたら、大前提としている賃貸借契約の当事者間の信頼関係も崩れ去ります。

先にお伝えした民法もあります。

無断転貸は、モラルにも法にも反する行為なのです。

超重要!】気を付けて欲しい自宅の貸し出し

せっかくの機会ですので、転貸とはまたちょっと違ったパターンにはなりますが、ご自身所有の自宅を賃貸する場合でも気を付けて欲しいことがあります。

上の転貸でも少しお話ししましたが、長期出張や期間の決まった転勤などの場合によく見かけるケースです。

まずは、少し古い記事になりますが、こちらをご覧ください。

インターネット専業の住信SBIネット銀行は10日、借入希望者の居住用の住宅ローンとして実行した融資が、実際には投資用不動産の購入に使われていた疑いがあったことを明らかにした。一般的に住宅ローンの方が投資用不動産向け融資(アパート融資)より金利が低い。審査書類が改ざんされていた可能性もあるとして、同行は調査を進めている。・・・(中略)・・・金融庁は昨年からすべての銀行を対象にアパート融資の実態調査を進めている。
(2019.1.11『日経新聞』より抜粋。)

住宅ローンの不正利用に関する記事です。

投資用不動産に住宅ローンを使用したということで、とんでもない不正なのですが、意外と知らずにこの不正をやってしまっている方が多く見受けられます。

住宅ローンで建てた、又は購入した自宅を、住宅ローンが残ったまま賃貸として活用するケースです。

住宅ローンはそのお金の使用目的は居住用ですから、事業となる場合は使用することが出来ません。ですので、賃貸する場合はローンの残額を精算してしまうことや、事業用ローンに切り替えることが必要となります。

このケースは実は現在でもかなり多く、現存する分譲賃貸や貸家は、住宅ローンが残ったまま運営されていることが多々あります。

残念ながら、金融機関はこの様な状況に気付いていても、返済が滞らなければ知らぬふりをしていることがあるのも事実です。また、金融機関が気付いていないケースも数多くあります。
しかしながら、アパートローンや住宅ローンの不正利用が昨年相次いだことから、今後シビアになっていくことは容易に想像できます。

更に残念なことに、不正なことと知りながら、「住宅ローンのまま貸せますよ」という案内をする、不動産業者やコンサル、銀行員まで存在します。

私もその方法は知ってはいますが、勧めたことはありません。今後も案内することは絶対ありません。
実はこの手の相談は数が多く、私も何十件と住宅ローンのまま貸し出したいという相談に対してダメ出しをしてきました。
まっとうに返済するか、事業用に借り換えましょう。

はっきり言います。

そんな不正行為を案内する業者や担当者とは付き合わないで下さい!

万が一の時、ローンの一括返済や違約金を請求されるのはあなたです!

自宅を貸しに出す相談をした場合、真っ先に住宅ローンは残っているかを心配する人に相談する様にして下さい。

まとめ

今回は賃貸に置いて安易に行動するとやってしまいがちな不正行為についてお伝えしてきました。

まとめると以下の通りです。

・転貸は原則NG!貸主の承諾のある場合は可

・賃貸借契約は相互の信頼関係のもと成り立つもの

・自宅を貸し出す場合は住宅ローンではダメ

以上に気を付けましょう。

当店では、ご相談者様に不正をはたらかせる様なコンサルティングは一切行いません。
安心してご相談ください。

なば屋の賃貸経営コンサルティング → https://nabaya-consulting.com/service/property-management



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