賃貸管理会社って必要?自主管理のメリット・デメリット

賃貸管理会社って必要?自主管理のメリット・デメリット

賃貸管理会社って必要?自主管理のメリット・デメリット

どうも、なば屋のモノグサ店長です。

今回は、自主管理のメリットやデメリットの観点から、賃貸管理会社が本当に必要なのかどうかについてお伝えしていきたいと思います。

いきなりですが、皆さんは賃貸管理会社がどの程度利用されているかご存知ですか?

昨年の国土交通省の調査に「賃貸住宅オーナーの管理状態調査」というものがあります。まずは下の図をご覧ください。

2019国土交通省調べ 「賃貸オーナー様の管理状態調査」

この図は、国土交通省の調査を拝借し、私がグラフ化したものです。
管理業者等へ業務委託を行っている内容や、その割合の調査なのですが、少々図が細かくなってしまったので、念のため内容を下にまとめます。

①募集・契約・管理を全委託 (28.2%)
②募集・契約を全委託、管理を一部委託 (25.9%)
③募集・契約を委託、管理をオーナー自身 (25.5%)
④全て自主管理 (18.5%)
⑤募集をオーナー自身、管理を委託 (1.5%)
⑥募集をオーナー自身、管理を一部委託 (0.4%)

この調査から分かる通り、完全に自主管理を行っているオーナー様は18.5%に留まっており、実に80%以上のオーナー様は何かしらの業務を管理会社に委託している、ということになります。

実際のオーナー様ニーズからすると、管理会社は必要とされている、ということではないでしょうか。

また、私の個人的な見解としても、賃貸管理会社は必要と考えています。

この記事では、賃貸管理会社を介さない、自主管理のメリット・デメリットについて掘り下げていくことで考えていきます。

自主管理のメリット

まずは、自主管理する場合のメリットについてお話ししていきます。
実際に賃貸経営を始める場合は、むしろデメリットをしっかり認識することの方が重要かとは思いますので、メリットを見て「自主管理にしよう」とはせず、しっかりデメリットまでご覧になってからお考え下さい。

それではメリットをご紹介します。

①コスト面

ここは皆様真っ先に思い浮かぶところかと思います。

賃貸管理会社を介するということは、当然管理会社も仕事ですのでコストが発生します。

具体的には、
・管理手数料、またはサブリース保証料
・賃貸借契約の更新料(管理委託契約の契約内容によります)
・サブリースの場合、礼金
・賃貸借契約成立時の業務委託手数料
などです。

日常の細々した業務についても、業者を紹介する時に管理会社が間に入ることで管理会社が取得する分の手数料が上乗せされていたりします。

自主管理の場合、これらの費用がかからない、又は抑えられるので、コスト面はメリットです。

②オーナー自身の能力向上

二点目に、オーナー様自身の管理能力が向上することです。

当然、全ての管理業務をご自身で行いますので、様々な経験値が得られます。

特に日常的に頻度の高い作業については、どの作業にどれくらいのコストや人員や時間が必要か、がつかめてきますので、仮に将来的に管理会社に委託することがあっても、交渉等に活かすことが出来ます。

また、賃貸経営に関する知識が自然と身に付く(身に付けざるを得ない)ことや、業者等の人脈が増えていくこともメリットです。

③入居者ニーズを反映しやすい

ご自身で管理業務を行っている場合、管理物件の清掃や、植栽のメンテナンス、巡回等、管理物件に足を運ぶ機会も増えます。特にこまめに清掃を行う場合、自然と入居者とのコミュニケーションが生まれ、その中で入居者ニーズを反映しやすいこともメリットの一つです。

オーナー目線では気付きにくい入居者の本当のニーズを知り、実際に管理物件に反映していくことは、物件自体の賃貸不動産としての価値を上げ、退去率の低下や、賃料下落の防止に役立ちます。

ここで気を付けて欲しいのは、多少のニーズの反映で「賃料を上げよう」とは思わないことです。

本心から入居者に良くしてあげることが、結果的には上にも書いた、賃料下落防止や退去率低下に繋がり、更に「話題の良い物件」となれば、入居時から空室の問い合わせが来るような賃貸物件を実現できます。

オーナー様がダイレクトに賃貸経営を行うことの出来るメリットの一つです。

自主管理のデメリット

ここまで自主管理のメリットについてお話ししてきましたが、続いてはデメリットについてお伝えします。

重ね重ね言いますが、実際に賃貸経営を始める場合、メリットを知ることよりもデメリットをしっかりと認識する必要の方が大きいと思います。

①労力面

賃貸管理を全て自分で行うことは、とにかく大変です。

入居者募集から、清掃、契約状況の把握、賃料や敷金・礼金等の管理など、日常的な業務から多岐に渡ります。

併せて、賃貸経営をしていく中では入居者クレームは切り離せません。
「清掃が行き届いてない」「水道が止まった」「エアコンが効かない」「賃料を下げてくれ」「隣の部屋がうるさい」などなど・・・

日常的な業務から、突発的なものまで、全てご自身で対応していくことは至難の業です。

②トラブル対応

トラブルといっても、大きなものから小さなものまであります。

大きなところで言うと、原状回復や滞納トラブルによる裁判沙汰など。よほどしっかり勉強していないとご自身での対応は無理です。トラブルが起きてからそういった問題に強い弁護士に頼むのも手ですが、なかなか伝手もないでしょう。

賃貸管理会社が間に入っていれば、サブリース(転貸)契約の場合、賃貸管理会社が当事者としてトラブル対応にあたれますし、代理契約の場合でも、弁護士等を紹介出来るかもしれません。
(サブリース、代理についてはこちらで少し触れています。ご参照ください「集金代行とサブリース?その違いとそれぞれのメリット・デメリット https://nabaya-consulting.com/archives/417」)

また、日常の小さなトラブルについても、オーナー様が細かな清掃や巡回を怠ったことから、ごみ置き場が汚くなってしまったり、郵便受け付近にチラシが散乱してしまったりします。
こんな小さなことでも、見栄えが悪くなった物件の賃貸市場での価値は下がり、賃貸経営の収益性に傷をつけます。

③業者探しなど

三つ目に、業者探しなどがあげられます。

自主管理でも、原状回復やリノベーション、設備の点検等、業者に依頼しなければならない仕事はたくさんあります。そういった、外に振らなければいけない仕事をしてくれる業者も、自力で探さなければなりません。

当然、賃貸管理会社の様に取引業者のネットワークを持っているわけではないでしょう。

運悪く、サービスの質の悪い業者を選んでしまうかもしれません。

この部分では、実は賃貸管理会社にコスト面でもメリットが出たりします。日常的に取引をしている業者のネットワークがありますので、サービスの質の面では勿論の事、いわゆる「取引先価格」で紹介を受けられるケースも多々あります。取引業者も何社もありますから、よりお困り事の内容に合った業者を選ぶ選択肢も多数あることが多いです。



まとめ

自主管理のメリット・デメリットについてお伝えしてきましたが、簡単にまとめます。

メリット
・管理手数料等のコスト面
・オーナー自身の知識や経験になる
・入居者ニーズを物件にすぐに反映しやすい
デメリット
・日常管理からクレーム等に対する労力
・トラブル対応の複雑さ
・業者探しから自分でやならければならない

私は、このデメリットの部分が、賃貸管理会社勤務の経験からかなり大きいと感じています。

特に、トラブル対応については、一つ間違いを犯すととても取り返しのつかない大問題になってしまうケースもあります。賃貸管理会社は、日常から「賃貸管理」という商品を専門に扱い、あらゆるトラブルに対応し、そのノウハウをため込んでいます。
また、コスト面については、業者探しの部分でもお伝えしましたが、実は管理会社を経由した方が得する部分もあったりします。

やはり私は、

賃貸管理会社は必要である!特に賃貸経営に不慣れな場合はもはや必須である!」

と考えます。

よほど賃貸経営に慣れていて、知識も充分な場合以外は、賃貸管理会社を活用しましょう。

良い賃貸管理会社の見抜き方については、こちらの記事もご覧ください
「良い賃貸管理会社を選ぶための大事なポイント,注意点 https://nabaya-consulting.com/archives/574 」

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