「メンテナンスパック」の闇。原状回復プランや設備保全プランはいりません!
「メンテナンスパック」の闇。原状回復プランや設備保全プランはいりません!
どうも、なば屋のモノグサ店長です。
今回は私の管理会社時代の経験上、賃貸経営に対して「経営」の意識の薄いオーナー様が案外多かった事を思い返し、一つ僭越ながらアドバイスをしたいと思い、お伝えします。
いきなりですが、現在契約中の賃貸管理会社の管理プランについてお見直し下さい。
もしくは、これから賃貸管理をご契約の場合も、同じく見直して再検討してみて下さい。
どこを見て欲しいのかと言うと、
「原状回復プラン」や「設備保全プラン」を一緒に契約していませんか?もしくは、契約しようとしていませんか?
それ、必要ありません。
実際、私もこういったプランは会社で用意されていても(尚且つ会社からは「このプラン一緒に契約して来い」と言われていても)、「基本的にはこれ外しといたほうがいいと思いますよ」って案内しちゃってました!笑
「会社が得しても、お客様が損をする提案はしたくない!」という思いからこういった案内をしていました。
集団に属するとその思いだけを通してもいられない、という背景もあって独立して今コンサルティングをやっています。
(すみません、少し話が逸れました)
本題に戻って、なぜ必要ないのか、今回は少し簡単にはなりますが、ご説明していきます。
管理会社がメンテパックを提案するワケ
賃貸管理会社は原状回復プランや設備保全プランは、例えば「集金代行システム」や「サブリース(空室保証)システム」といった賃貸管理のプランと共に提案してきます。
賃貸管理システムについてはこちらをご参照ください。
「集金代行とサブリース?その違いとそれぞれのメリット・デメリット https://nabaya-consulting.com/archives/417」
「一般管理とサブリースのハイブリッド!滞納サブのススメ https://nabaya-consulting.com/archives/449」
管理会社がなぜこういった、所謂「メンテナンスパック」を提案するのかと言うと、答えは簡単です。
仕事だからです。
つまり、「儲かるから」なのです。
さてそれでは、それぞれのざっくりとした内容と、賃貸管理会社の闇についても少しだけ暴露していきます。
それぞれのプランの概要をお話しします。
・設備保全プラン
設備保全プランは、ざっくり言うと、賃貸物件に設備として備え付けられている家電等の設備機器の保全を目的としたパッケージプランです。
エアコンや給湯器やコンロ等が保全対象に該当します。
料金は各社保全対象や内容の違いから、バラつきがありますので参考程度になりますが、例えば「上記した設備機器等の修繕と、修繕不可の場合の同等品への交換」を保証している某大手賃貸管理会社の場合、新築の場合700円/1ヶ月(税別・戸当たり)~となっています。
ちなみに、新築700円~ですが、これは最低金額で、築年数が経過する毎に増額されます。
築6年程度の物件でも驚愕の1,400円/1ヶ月(税別)~といった金額になってきます。
ちょっと簡単な計算をしてみましょうか。
新築10戸のアパートで、この設備保全プランの最低金額である700円を毎月払ったとして、10年後は
700円 × 10戸 = 7,000円(税別月額)
7,000円 × 12ヶ月 = 84,000円(税別年額)
84,000円 × 10年 = 840,000円(税別)
仮に最低金額の700円を払い続けたとしての金額です。
設備の保全費用として、万が一交換があったとしてもこんなにかかりますか?
20年後でも30年後でも同じです。
当然年数が深くなるほど保全や交換のリスクは大きくなりますが、管理会社には築年数が新しかったころからぼったくり続けた貯蓄があります。
じゃあ毎月戸当たり設備保全プランの金額だけ、自分で積み立てましょうよ!
最後には絶対余っているはずなんで!
(これは、私の管理会社営業時代の決まり文句にもなっていました!笑)
・原状回復プラン
原状回復プランは、こちらもざっくり言うと、クロスや床材やスイッチ・管球等の原状回復費用の保障を目的とするものです。
費用については、床面積の広さや天井高、使われる床材の種類等などによって、大きく変わってきますので、参考価格はお伝えしづらいです。
管理会社各社、それぞれの算出方法や決まった計算式等があるので、もし今検討中の管理会社で原状回復プランを提示されているようであれば、その内訳・計算式を明示する様お願いしてみてはどうでしょうか?
ここで管理会社選定の一つの目安も出来ます。
提案するプランの、しかも大事なお金の部分で、詳細を明示できない様な管理会社はやめてしまいましょう。
まずは費用面については、上記した設備保全プランと同様です。
原状回復プランと同じ金額だけ、自分で積み立てて下さい。
絶対に余ります。
この原状回復については、費用負担が複雑なところで、「オーナー負担」の領域と「入居者負担」の領域があります。
(原則法律上では故意過失を除きほとんどの場合「オーナー負担」です。ただし、実情では条例やガイドラインに基づいて「入居者負担」を契約書上でお願いしています)
賃貸物件の退去が発生したとき、オーナー負担分と入居者負担分について、管理会社はそれぞれ相談や報告をして原状回復を行い、請求をするという流れになります。
原状回復のパッケージプランを取り入れることで、この「オーナー相談・報告」と「入居者相談・報告」のフェーズが無くなるため、スムースに再募集に移行できる、というのも管理会社の言うメリット、つまり売り文句です。
(※理由は後述しますが、「入居者の原状回復費用を軽減できるから、入居者満足の為になりますよ」とは言わないはずです)
ここもまた疑問点です。
オーナー連絡でカットできる部分は、「原状回復費用で管理会社とオーナーがもめることが少しだけ減る」という一点だけです。
中には相談や交渉がごちゃごちゃしてしまう原状回復もありますが、割合的には少ないです。
そして考えてみて下さい。
あなたの持ち物である賃貸物件です。原状回復プランを導入していても、どこをどう修繕したか、などの連絡は絶対必要ですよね。
その連絡の手間さえ惜しむ管理会社が、良い管理会社とは思えません。
オーナー様自身も、意識して報告や相談を受けるべきです。
要するに、オーナー連絡・相談の手間は、どっちを選んでも対して変わらないということです。
ちなみに、この原状回復のパッケージプランに管理会社の闇が隠れていることがあります。
プラン案内なんかをよ~く読んでみて下さい。
「自然劣化や経年劣化はオーナー様負担になります」
「畳表替えが発生した場合は、一帖あたり○○円ご負担いただきます」
かなりの確率で書いてあると思います。
経年劣化の原状回復だけで済むのが、理想的な賃貸経営です。
そこを目指してオーナー様は美化や管理に努めるのですし、管理会社も注意を払っていなければいけません。
そしてそれが実現していたとしたら、
何を保障しているんだ??
ということになりますよね。
その上、部材等は管理会社に激安のものを指定され、変更がきかないことがほとんどです。
実際の作業をする業者の選定にも口を出せないことがほとんどです。
そして「入居者との相談が無くなるから」という部分についても、またもや闇が潜みます。
いいですか、よく聞いてください。
大半の賃貸管理会社は
原状回復プランに加入していても、入居者負担分はきっちり入居者に請求しています!
賃貸借契約で取り決めた「入居者負担分」についてはきっちり請求しますし、故意や過失による修繕の請求もきっちりやります。
そのため当然ですが、入居者との相談や交渉もカット出来ていません。
私の主観かもしれませんが、はっきり言います。
原状回復のパッケージプランは賃貸管理会社が儲けるためだけのオプションです。
賃貸経営はその名の通り「経営」です
そもそも論ですが、賃貸物件を運営することは賃貸経営、つまり「経営」です。
経営において、時間をお金で買うことは決して間違っているとは思いません。
でも自分の経営する賃貸物件の実情を把握していないのは、企業でいうと「社長だけど会社のことは何にも分からないんだ」と言っているのと同じです。
ここまでお読み下さっていればお分かりかと思いますが、経営する会社(あなたの賃貸物件)の情報を知るためには、メンテナンスパックを導入していてもお互いの「報告・連絡・相談」の頻度はさほど変わらないはずです。
つまり、時間はお金で買えていないのです。
コスト面の意識に対しても「経営」の意識です。
会社を経営していれば、経費削減なんて当然検討すべき問題ですよね。
なんで賃貸経営だとその意識が働かないのでしょうか?
賃貸管理会社のオプションやサービスには、勿論利用した方が良いものも沢山あります。
正しい、本当にあなたの為を思った提案をしてくれる営業マンも勿論います。
それでも、経営者の意識を改めて持って、賃貸経営をして欲しいものです
もし、あなたの賃貸経営のプランニングに迷いがあったら、是非当店に相談してみて下さい。
無料で、正しい目線でのアドバイスをします。