【基礎知識】木造アパートと鉄骨造アパートはどっちがいい?
【基礎知識】木造アパートと鉄骨造アパートはどっちがいい?
どうも、なば屋のモノグサ店長です。
アパート建築を検討する際、立地やニーズの調査と共に、建築構造についても検討する方がほとんどかと思います。
それぞれのメリット・デメリットがあるので検討するべきだと思います。
私もこれまで数々のオーナー様に建築会社を紹介し、一緒にプランニングをしてきましたが、可能な限り木造メーカー・鉄骨メーカー・RCメーカー等、複数の建築構造のメーカー・建築会社をご紹介し、検討してもらう様にしています。
基本的な部分ではありますが、これまでお伝えしてきたこともなかったので、今回は「賃貸経営においては建築構造はどれがいいのか?」という点についてお話ししていこうと思います。
とは言っても、鉄骨の中でも重鉄・軽鉄の違いがあったり、RC(鉄筋コンクリート)やレンガ・石等も含めると建築構造は多種多様です。
今回は煩雑になってしまうことを防ぐため、重量鉄骨造と木造について見比べていきたいと思います。
<予備知識>
鉄骨造は軽量鉄骨造と重量鉄骨造にわけられます。
そもそも鉄骨造とは、柱など建物の骨組みに鋼材を使うもののことを言いますが、その鋼材の厚みが6mm以上のものが重量鉄骨、6mm未満のものが軽量鉄骨とわけれらるのが一般的です。
尚、後にこの記事でも扱う法定耐用年数を決める国税庁の基準では、4mm以上が重量鉄骨、4mm未満が軽量鉄骨です。
ちなみに、木造は柱など建物の骨組みに木材を使用するもののことです。
鉄骨造にしても木造にしても、骨組みに使用していることが基準です。ですので、「木造だから建物に鉄を使っていない・鉄骨造だから建物に木を使っていない」というわけではありません。
木造と鉄骨造の比較
さて、ここからはそれぞれの構造について様々な視点から比較していこうと思います。
一般に鉄骨造の方が良いと思われがちかな、と感じていますが、実際には一長一短あります。
自宅であれば好みだけで考えても良いでしょうが、特にアパート経営においてはしっかりとメリット・デメリットを理解して、計画に合わせて建築する必要があります。
建築費
建設費については、鉄骨造の方が高く木造の方が安いというのが一般的です。
木造建築は主要建材が木材ですので、鋼材を主要な建材とする鉄骨造よりお値打ちになるのは納得ですよね。
ただし、あくまで「一般的に」です。
例えば木材でも、木造ならではの良さのアピールの為に希少木材を見える部分に使用したり、柱の木材の種類を指定したり、等々、いわゆる拘りによってコストアップする部分は多々あります。
また、建築会社にもよりますが、アメリカンスタイル,オールドブリティッシュスタイルの様な輸入住宅風の建築はRC造並に高額になるケースが多いです。
(ちなみにですが、通常の木造建築並の価格で輸入住宅風のオシャレなアパートを実現できる建築会社も存在します。個人的によく建築の相談をしている業者さんですが、もし気になるようでしたらご紹介しますのでお問い合わせください)
もちろん鉄骨造でも拘れば高くつく部分は数多くありますし、逆にコストカットできる部分も多々あります。
あくまで「一般的には木造の方が安い」と思っておいてください。
収入面
家賃については、こちらもあくまで「一般的に」ですが、鉄骨造の方が木造よりも高い賃料がとれるケースが多いです。
市場性にあわない鉄骨造よりも、市場を理解した木造の方が高く賃料が取れるのは当たり前ですが、計画地近隣のエリアでは、木造建築の方が街並みにマッチする、というケースもあります。
また、拘り次第、という部分も実は結構あります。
私がこれまでに携わってきた賃貸物件の中で特に顕著だったのが、近隣エリアの同程度の間取りの鉄骨造マンションよりも、2~3割程度高く成約している木造アパートです。
しかもこの物件、建築費は通常の木造アパートの相場よりも少し控え目だったにも関わらず、です。
また、賃料自体は鉄骨造の方が高く取れるケースが多いですが、建築費が高額になりやすい分収入面でも差し引くコストが高くなりやすいことにもご注意ください。
減価償却
続いては減価償却についてです。
念のため簡単にだけご説明しますが、減価償却とは「購入した時に一度に経費を計上するのではなく、毎年分割して計上する」というルールのことです。
新築のアパートの建築費は法定耐用年数で分割して計上します。
ちなみに・・・
法定耐用年数の一部を経過した物件を購入した場合の減価償却期間(耐用年数)は以下の様に計算します。
(残存法定耐用年数) + (経過した法定耐用年数) × 0.2 = (耐用年数)
尚、法定耐用年数を全て経過した物件を購入した場合の耐用年数は、法定耐用年数の20%です。
先にメリット・デメリットの結論だけお伝えしてしまうと、減価償却については一長一短です。
木造の法定耐用年数は22年、重量鉄骨造の法定耐用年数は34年(軽量鉄骨造の場合は27年)です。
つまり鉄骨造の方が減価償却期間が長いということになります。
減価償却の期間が長いほど、1年当たりの計上する経費は小さくなりますから、利益は上がりやすくなります。
一方で気を付けなければならないのは、減価償却費は実際の資金の流出を伴わない支出ですので節税面では減価償却期間が短いほど有利ということになります。
住まいとしての環境
入居者の住環境については、ここから更にいくつかに分けて考えていく必要があります。
まずは耐震性について。
鉄骨造が主要な建材とする鋼材は木材よりも高度が高く、耐震性の面では木造よりも鉄骨造が優れていると言えます。
日本は地震大国ですし、大きな震災の影響がまだ残っていることから、地震への恐怖は年々高まっています。
これは鉄骨造のかなり大きなメリットですね。
ただし、建築構造以外の部分でも耐震・制震・免震についてはアプローチ出来ます。
近年は耐震性能を明示する建築会社も増えていますので、注意して見てみてはどうでしょうか。
続いては音の問題について。
音についても、一般的に防音性は木造よりも鉄骨造が優れていると言えるでしょう。
ただし、柱以外の壁や床の作り方にもよりますし、ある程度リフォームで改良できる部分でもありますので、実際に建築する際には防音性能の数値をチェックしたりする方が良いかと思います。
続いて、室内の環境について。
鉄骨造に比べて木造は、通気性が高く断熱性が高いという性質があります。
ですので、鉄骨造よりも木造の方が熱や湿気がこもりにくいということになります。
外気温との温度差が小さくなり、結露が出にくいことも木造のメリットでしょう。
また、木造は通気性の良さからカビが発生しにくく、アレルギー持ちの方には特に木造をオススメ出来ます。
一方でその通気性の良さによりエアコンが効きづらい、というデメリットも理解しておきましょう。
鉄骨造は通気性・断熱性の悪さから、結露の機会が多いことや、エアコンを使用する頻度が高まることがデメリットです。
まとめ
最後に、これまでお伝えしてきたことを簡単にまとめます。
簡易の比較表を作りましたのでご確認ください。
ここまでもご説明してきましたが、これらの比較はあくまでも「一般的に」ということをお忘れないようご注意ください。
鉄骨だけど木造並に安価で建てられる・木造だけど鉄骨以上に高い賃料で決まる、といったことは往々にしてあります。
また、実際には重量鉄骨造と木造だけでなく、軽量鉄骨造・RC造・レンガ・石などなど・・・様々な構造についても検討しなければいけません。
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詳しくはこちらの記事もご参照ください。
「賃貸経営は独立したコンサルに相談した方がいい理由 https://nabaya-consulting.com/archives/941 」
「あなたのアパート経営がピカピカの新築でも失敗する可能性が高い理由 https://nabaya-consulting.com/archives/731 」
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