意外と知らない?耐震・制震・免震の違いを解説
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_webp,q_glossy,ret_img,w_600,h_337/https://nabaya-consulting.com/wp-content/uploads/2021/02/2787189_s.jpg)
意外と知らない?耐震・制震・免震の違いを解説
どうも、なば屋のモノグサ店長です。
前回の記事では、木造と鉄骨造の違いを解説していきましたが、その中でも少しだけ「耐震性」といった部分にも触れました。
前回記事はコチラ ➡ 【基礎知識】木造アパートと鉄骨造アパートはどっちがいい?
今回は、該当記事の執筆中に「あれ、そういえば耐震・制震・免震の違いって、意外と知らない人多かったよなぁ」ということを、ふと思い出し、せっかくなので、記事にしてみようと思います。
賃貸経営をしていたり、建物の建築の打ち合わせの場ではちょくちょく耳にする「耐震工法」や「制震工法」といった単語ですが、簡単にそれぞれにランク付けをすると、
①免震 → ②制震 → ③耐震
この順にグレードが高い、と考えて頂ければOKです。
地震大国である日本においては、賃貸住宅にも耐震性能が求められることも非常に多いです。
特に近年では、制震や免震といった、よりグレードの高い対震災性能を持つ賃貸住宅も増えてきましたし、これからの賃貸市場を生き抜く上では、これらについてもしっかりと理解をし、市場に合わせて考えていくことが求められます。
グレードだけお伝えするのもそっけないので、この記事では耐震・制震・免震について、それぞれどう違うのか、簡単に解説していこうと思います。
耐震とは
耐震工法は、その名の通り「地震に耐える」工法です。
地震に対して、建物が倒壊せず人が避難できることを前提として、強度で耐える工法です。
建物の躯体に筋交いを通したりして、建物自体を強くする様なイメージです。
揺れに対して抑えたり制御したりするものではありませんので、建物は1F→2F→3Fと上層階に行くほど揺れは大きくなります。
住宅の多くや、自治体の建物・学校等、日本の建築物の多くに採用されており、最もポピュラーな地震対策の工法であると言えます。
制震とは
制震工法は、「地震の揺れを吸収する」工法です。
地面から建物に伝わった揺れを、ダンパー等の制震パーツにより吸収し、揺れを抑えます。
上記した耐震と比べ、上層階への揺れが抑えられ、倒壊の可能性も下がります。
一方でコスト面では耐震よりも高くなります。
免振とは
免震工法とは、「地震の揺れを受け流す」工法です。
地面と建物の間に免震装置(アイソレータ)を設置し、揺れが直接建物に伝わらなくなります。
イメージのために、私の下手くそな絵ではありますが図解します。
![](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_webp,q_glossy,ret_img,w_550,h_309/https://nabaya-consulting.com/wp-content/uploads/2021/02/DSC_0046.jpg)
耐震・制震と違い、免震では基礎(地面)と建物が切り離され、間に免震装置が挟まれています。
この免震装置は、ゴムと金属でできた積層ゴムのものや、ボールベアリングで転がすようなもの等があります。
イメージとしては、地面と切り離した免震装置の上をすべらせて、地面の揺れを直接伝えないような工法です。
揺れ自体を建物に伝えないので、地震の横方向に対してめっぽう強くなります。
反面、強風等の自然災害に対しての対策が若干弱くなってしまうデメリットもあります。
ここからは、それぞれのメリットとデメリットについて簡単にではありますが、まとめていきましょう。
耐震・制震・免震の利点・欠点
耐震のメリット・デメリット
メリット
・原状国内で最もメジャーな工法であり、導入しやすい
・コストが安い
・地階も作れる(地下室など)
デメリット
・上階にいくほど揺れが大きい
・揺れは大きいので家財等の保護や、家具倒壊による二次災害の予防には向かない
・繰り返しの地震に対しては倒壊のリスクは高まる
制震のメリット・デメリット
メリット
・耐震と比べ倒壊のリスクが更に大きく下がる
・免震よりもコストが安く、工期も短い
・繰り返しの揺れにも強い
デメリット
・制震装置設置が必要になるため、狭小地に不向き
・耐震よりもコストがかかる
免震のメリット・デメリット
メリット
・地震の横揺れに対して圧倒的に強く、ほとんど揺れを感じない
・家具等の倒壊のリスクも抑えられる
・原状地震対策として最も優れた工法である
デメリット
・地震の際、地面と切り離された建物がスライドするため、周辺を空けて置く必要がある
・施工自体のコストが高く、また定期メンテナンスコストもかかる
・強風や津波といった自然災害には寧ろ弱くなる
・免震装置の設置のため、地階利用が不可能になる
まとめ
簡単にではありますが、耐震・制震・免震についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
イメージとしては、対地震の性能としても、コストとしても、
①免震 → ②制震 → ③耐震
の順に高くなっています。
ただし、先述した通り、それぞれにメリットもあればデメリットもあります。
特に免震は、地震以外の災害に対する性能が下がることや、敷地面積などの問題もあるためご注意ください。
冒頭にお伝えしましたが、現在では免震賃貸なんてものも増えてきています。
日本は地震大国です。
今後、よく話題にあがる「なければ決まらない設備ランキング」なんかでも、制震や免震がランキングに入ってくる時代が、すぐそこまで迫って来ている様な気がします。
当店では、制震や免震工法の可能な建築会社も、勿論ご案内出来ます。
その他、あなたの賃貸経営のお力になれる理由が沢山あります。
詳しくは・・・
皆様のご相談を、お待ちしております。