賃貸管理会社に物申す!その営業成績の付け方、見直しませんか?

賃貸管理会社に物申す!その営業成績の付け方、見直しませんか?

管理会社に物申す!営業成績編

今回は、いつもとはちょっと普段とは違った方向から、賃貸経営に関わる問題点を見ていこうと思います。

私自身、賃貸管理会社出身で、管理会社2社でコンサル営業を経験しており、その経験から「賃貸管理会社のココが変われば、オーナー様にとっても良い変化をしそうなのになぁ・・・」と思う点がいくつもありました。

ということで、賃貸管理会社に物申す!!

今回は「賃貸管理会社の(管理物件の取得の営業に対する)営業成績の付け方」に物申します!

コラム的な軽い読み物になってくるかと思いますが、アクセスや反響があったら「管理会社に物申すシリーズ」として、不定期連載するのも良いかな、と思っています。

オーナー様にとっても、賃貸管理会社の選定に役立つ情報があるかもしれませんが、まずは是非軽い気持ちでお読みください。

ちなみに、管理会社の選び方については過去にも記事にしておりますので、そちらも是非ご参照ください。

アーカイブ 良い賃貸管理会社を選ぶための大事なポイント,注意点



現状の管理物件取得の営業成績

まずは前提として、賃貸管理会社の「営業」についてお伝えします。

賃貸管理会社の営業は、大きく分けて2つに分かれます。
この2つは、それぞれ部署も分かれて、別々の部隊で違った営業をしているのですが、この2つがどういった営業なのかも含め、ご説明します。

入居者付け営業

1つは、不動産屋さんを想像すると、真っ先に浮かぶ営業です。

いわゆる、「客付け営業」

こちらは今回の主題とは違う営業なのですが、ざっくりとご説明だけ。

要は、管理物件に入居者を付ける営業です。
こちらは単純に、入居付け出来たお部屋の賃料や、入居付け出来た件数が、成約の度に営業成績として加算され、通月・通年で評価されます。

まあ、営業成績の見方として妥当性はあるかな、と思います。

開発営業

もう一つが、今回の主題の営業である「管理物件を取ってくる営業」です。

業界では、開発営業、という呼び方が最も一般的かと思います。
この記事でも以降「開発営業」と表記いたします。

内容はここまでお伝えしてきた通り、会社で管理する賃貸物件を新たに取ってくる営業です。

建築会社・金融機関・不動産屋などからの紹介、既存のオーナー様からの紹介、賃貸物件オーナー様への営業、ご相談に対するコンサルティング、等から賃貸不動産のオーナー様との管理委託契約を新たに取ってくる営業です。

営業成績の付け方としては、各社多様かとは思いますが、大きく分けて2パターンが主流です。

1つは、取得してきた管理物件の戸数をベースとするパターン
例えば、年間目標が100戸であれば、戸数で100を超えるために頑張って営業をするのです。

もう1つは、取得してきた管理物件の総額賃料をベースとするパターンです。
これは、募集賃料をベースにしたり、保証賃料をベースにしたり、契約の形態(サブリース・集金代行など)によって倍率をかけたり等、会社によって様々なのですが、基本的には取得してきた管理物件の賃料を通年で加算していく形です。

私が今回物申すのは、これらの営業成績の付け方です。

ちなみにですが、私自身どちらの営業成績管理も経験してきました。
実際経験した上で、どちらも問題アリだな、と感じています。



【本題】物申す!営業成績の付け方の問題点!

さて、ここからが本題です。

これらの営業成績の問題点を提示します。

問題点が特に露見しやすいのは、管理会社の営業マンのコンサルティングによる建築計画を立てた時です。
その理由はこれからお伝えする問題点を理解してい頂ければ納得するかと思いますが、私がコンサルティングをする場合に賃貸管理会社の営業マンよりもオーナー様の利益に寄り添ったコンサルが出来ると自負している大きな要因の一つがコレだったりします
(こちらもご覧ください→賃貸経営は独立したコンサルに相談した方がいい理由)

なお前もってお伝えしておきますが、営業という生き物は原則営業成績をクリアすることを目的とする働き蟻です。
後述する問題点が発生するのは営業マン本人ではなく、管理会社自体のシステムの問題の方がよっぽど大きな原因かと思っています。

戸数ベース

これが最もメジャーで、聞く限り最も多くの管理会社が採用している営業成績の付け方かと思います。

ですが、個人的には、最もオーナー様の事を考えていないナンセンスな形態だと思っています。

問題点は営業マンが営業成績を上げていくためには、とにかく戸数が必要という点にあります。

分かりやすく例えると・・・

①賃料20万円の3LDK×3世帯

②賃料5万円の1K×9世帯

これらの場合、例えそこがどんな市場であろうとも、②の方が営業マンは得をします。
エリアの市場性がファミリー向けにニーズのある市場で、①の方が成約も良く、賃料が高く取れていたとしても、営業マンには②が得になってしまうのです。

プランニングから管理会社と一緒にやっていたとして(または、建築会社が管理会社に相談していたとして)、オーナー様の事を考えたら絶対に①を薦める場面だとしても「本当は②の物件が欲しい」という考えが頭をよぎります。

これが正しいコンサルティングを妨げるのです。
(正しい判断を妨げるどころか、意図して②を推す最低な営業マンも実在します。残念ながら・・・。)

賃料ベース

こちらが戸数ベースの次にポピュラーな形態です。

こちらの問題点は、戸数ベースの真逆の言い方になりますが、営業マンが営業成績を上げるためには高い賃料が必要という点にあります。

上記した例でいうと、例え②の方が安定が見込める市場性でも、①の方が得をする、ということになります。

もっと分かりやすい、ありがちな具体例を示すと、

昨今、市場的に少人数ファミリー向けのエリアが増えてきています(少子化やDINKSの増加の影響)。
ご相談を受けたエリアがまさにそういうエリアであった場合、「1LDK~2LDKのアパートに、しっかり駐車場を付ける」といった計画がベターであることは多々あります。

こういったエリアでも、賃料を高くとるために割の悪い駐車場を潰して貸し家を数棟計画した方が営業マンの営業成績にとっては得だったりします。

やはり、こういった思考が混じってしまうことが、正しいコンサルティングを妨げます。

 

ちなみに、これらの評価方法は2パターンともに、客付け営業の成約実績には関係なく営業成績が付けられているケースがほとんどである、ということもこの問題を更に大きくしています。



提案!これからの営業成績は・・・

ここで私から賃貸管理会社へご提案します!

営業成績の付け方を変えませんか?

当然、オーナー様の利益を求めることが、最も管理会社の利益へと繋がる方法を模索していくべきです。

理想論

個人的に「如何にオーナー様想いか」という観点から見てベストだと思うのは、オーナー様の利益(若しくは見込み利益)をベースとして数字を付けていく方法です。

例えば、新たに取得した管理物件の1か月分の見込み利益を達成した数字として加算し、評価していく様な流れです。

理想的ですが、実際には実現はほぼ不可能かと思いますが・・・
というのも、オーナー様に対する情報開示の量が多くなってしまう点と、相続メリットや公租公課のメリットを受けるための不動産だと単月や単年の利益を見出しにくい点が要因です。

現実

そこで現実的な方法として管理料利益をベースに数字をつけるのはどうでしょうか?

例えば、稼働○ヶ月の管理料利益をその物件の営業成績として積み上げていく様な評価方法です。

大前提として、利益を搾り取るような管理契約を組み立てる様なことがあってはいけませんが・・・。
(もっとも、その様な管理契約を提案してきた場合、流石に募集賃料と保証賃料との差異の大きさなどであからさまになりますので、オーナー様側も気付きやすい搾取かとは思います。)

管理料利益が安定して取れるということは、そのエリアの市場において入居付けが比較的楽で、成約賃料も安定している場合が当然多いです。

ですので、

管理会社が得をする物件 ≒ オーナー様の経営が安定しやすい物件

ということが言えます。

営業マンは営業成績がより上がる物件を欲しますし、その欲しい物件が市場に合った物件である可能性が現行の営業成績の評価基準よりも高くなります

また、管理料利益をより安定して獲得することを求めるため、募集から成約のスピード感を求めて客付け営業とのコミュニケーションが活発化し、より募集に良い影響を与えます

特に建築前から相談している案件や、コンサルティングをしている物件に対して、管理会社が得をするためのアドバイスが、実際にオーナー様にとって最も利益を得やすい方法となる可能性が高くなるのです。

最後に

ここまで賃貸管理会社の開発営業の営業成績の評価方法について、問題点と解決案についてお話してきましたが、いかがでしたでしょうか。

管理戸数や募集賃料・成約賃料等で営業成績を付けている管理会社にプランニングの相談をするのは、少し怖くなってきたのではないでしょうか?

そこに危機感を感じて欲しい、というのが今回の記事の主題です。
残念ながら、先にお伝えした通り、現状はほとんどの管理会社がこれらの評価基準を用いています。

もちろん、営業マン単位で、会社からどの様な成績評価を受けるのかは関係なく、しっかりオーナー様にとってベストな提案の出来る方もいらっしゃいますが、見分けるのは難しいと思います。
専門的な話になればなるほど、管理会社側はプロですから、なかなか見極められません。

皆様にとって、より賃貸経営を実施しやすい世の中になってくると良いですね。

 

最後になりますが、当店はオーナー様から利益を頂戴しないシステムでコンサルティングを運営しております。
(詳しくはコチラ→賃貸経営は独立したコンサルに相談した方がいい理由)

また、信頼できる管理会社営業マンのご紹介、建築会社や不動産会社のご紹介もお手の物です。

賃貸経営に関してお困り事や、悩んでいることがあれば、どうせ無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。

なば屋へのお問い合わせ

それでは、また次の記事でお会いしましょう。

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