賃貸併用住宅ってどうなの?メリットとデメリットを徹底解説

賃貸併用住宅ってどうなの?メリットとデメリットを徹底解説

賃貸併用住宅ってどうなの?メリットとデメリットを徹底解説

どうも、なば屋のモノグサ店長です。

夢のマイホームを実現しながら、自宅が収益を生む。そんな賃貸併用住宅が注目を浴びる様になってから、もう随分日がたった様に感じます。

賃貸併用住宅は、収益を生むアパート・マンションでありながら住宅ローンを利用できるケースがあったり、相続税評価額が下がったりと、沢山のメリットがあります。

実は私の実家も賃貸併用住宅で、6階建RC造マンションの6階部分が自宅になっています。
他のフロアを1Kマンションとして賃貸に出しています。私の実家は田舎の方ですが、田舎でRC造のオートロック付きマンションはあまり多くはないので、築20年を超えていますが、黒字経営を継続しています。

(※決して「田舎のオートロック付きマンションに投資をしましょう!」というわけではありません!市場性を理解しないと大怪我をするので気を付けて下さいね!もし投資を検討中の方は、市場を調査致しますのでなば屋へ無料相談を!→問い合わせフォーム)

今回の記事では、そんな「賃貸併用住宅」についてのメリット、失敗しない為に知っておかなければならないデメリット、建築した際の注意点などをお伝えし、その結果向いている人をご案内します。

これからご自宅を建築予定の方は要注目ですよ!

また、通常の賃貸物件と比べた時のメリットについても後述します。


賃貸併用住宅のメリット

この項目では、賃貸併用住宅のメリットと注意点についてご説明します。

メリット① 住宅ローンを使用できる

賃貸経営に携わるものとして、真っ先にお伝えしたいのがこの部分です。

通常アパート・マンションであれば、住宅ローンより金利の高い事業用ローン(アパートローン)を利用して建築します。

しかし賃貸併用住宅の場合、金融機関の定める条件を満たすと、賃貸部分まで含めて住宅ローンで建築することが可能になります。

賃貸経営をしていく中では、ローンの返済の負荷は決して小さなものではありません。その返済の負担が、こと金利という点において通常のアパート・マンションよりも低くなるのは大きなメリットです。

加えて、自宅部分の面積分の住宅ローン控除も利用可能です。

この金融機関の条件というのは、通常「建物の総床面積に対して自宅部分の面積が50%以上」であることが多いです。

また、賃貸部分の方が大きくなってしまう場合についても、「自宅部分は住宅ローン、賃貸部分はアパートローン」と振り分けてローンを利用できるケースもあります。

賃貸物件を建築して、住宅ローンを使用する利点が得られるのは、賃貸併用住宅の最も大きなメリットであると言えます。

メリット② 複数世帯住宅の実現

例えば、施主の両親も同じ家に住んでいれば安心、等の理由で「二世帯住宅」を計画していた場合、両親世帯と施主世帯の生活動線を分けてあげることで、ご両親が亡くなってしまった後や、転勤等の理由でどちらかの世帯が退去した後、その片方の世帯を賃貸物件として貸し出すことが出来ます。

この場合、建築当初は住宅ローンを利用して建築しているはずですから、ローンの用途が一部変わってしまうため、念のため金融機関への確認もお願いします。
(詳しくは「【不正行為】安易な賃貸又貸しや自宅の貸し出しに要注意!」こちらの記事の「超重要」の部分をご参照ください)

 

このケースとは逆に、「将来的に二世帯住宅として利用したい」ケースでも有効です。

例えば、将来的には親世帯と同居する予定がある場合、二世帯住宅として利用可能な様に賃貸併用住宅を建築し、同居までの間は一部屋賃貸することが出来ます。

ここで気を付けておかなければならないのは、任意のタイミングで入居者に退去してもらうのが難しいということです。

同居のタイミングが分かっている場合は定期借家契約を活用するといいでしょう。
また、同居のタイミングが見えていないケースでも、再契約相談可、という形で定期借家契約を利用するのも手です。

定期借家契約については「【定借の可能性】定期借家契約のメリット・デメリットと活用法,普通借家との違い」こちらの記事をご参照ください。

メリット③ 建築後の負担が軽減

当然と言えば当然ですが、家賃収入分で住宅ローンの負担を軽減出来ます

きちんとした賃貸経営が出来ていれば、住宅ローンの半分以上を家賃収入で賄える、というケースが大多数です。場合によって、家賃収入で住宅ローンのほぼ全てを補填出来る、又はおつりがくる、様な状態もあり得ます。

ただし、自宅がメインとはいえ賃貸経営は賃貸経営です。

市場性にあった賃貸計画は必須ですので、予めご注意ください。

また、建築段階ではあまり注目されていないことが多いですが、相続税評価額が基礎控除額を超える場合相続税を下げられることもメリットの一つです。

※予備知識
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の人数

詳細についてはこの記事では割愛しますが、土地も建物も賃貸部分は自宅部分より低い相続税評価を受けられます。

メリット④ 土地の有効活用

例えばあなたが広い土地をお持ちの場合、「自宅を建てるだけではやたら建築費が高くなる」または「やたら土地が余って庭が広すぎる」といった可能性があります。

そういった場合、余ってしまう土地を活用し賃貸併用住宅を建築することで、土地を余すことなく利用することが出来ます。

広い土地、だけに限らず、都市部では中高層の建物を建てられるエリアも多いです。

こういった土地では、フロア毎に自宅部分と賃貸部分を分けた賃貸併用住宅の建築が可能です。

土地の余剰分が少しでもある場合は、「ちょっとしか余らないから」と敬遠せず、可能性を模索してみることも重要です。
プランニング次第で立派な賃貸併用住宅が建築可能なケースも多々あります。

メリット番外編 公務員の副業に

公務員は、国家公務員法・地方公務員法によって、原則副業・兼業が禁止されています。

これは「公務員としての信用問題」「守秘義務を厳守するため」「公務に専念するため」といった部分に起因するのですが、国民や県民,市民の税金で給与が賄われているため、民間よりも厳しいのは致し方ない部分もありますよね。

ですが、賃貸経営は条件を満たすことで禁止されている副業とはならないのです。

その条件は、
①5棟10室以下
②年間家賃収入が500万円未満
③管理業務を管理会社に全て委託すること

公務員だからと賃貸併用住宅を諦めているなら、ちょっと考え直してみてもいいかもしれません。

もちろん、賃貸併用住宅に限らず、賃貸アパートもある程度なら経営可能ですので、もしご検討されているなら当店に相談してみて下さい!



賃貸併用住宅のデメリット

続いて、賃貸併用住宅のデメリットと注意点・対策などについてお伝えします。

デメリット① 空室の場合むしろ負担が増える

賃貸部分の空室が続く場合、当然返済の負担は寧ろ大きくなってしまいます

金利メリットのある住宅ローンで全て賄って建築したとしても、一部屋増えた分の設備投資は当然かさんでいます。ですので、空室期間があまりに続く様では返済の負担は自宅のみの場合よりも大きくなります。

対策としては市場調査です。

建築する段階で、エリアの需要や供給の状態、その立地ピンポイントでのニーズ、周辺施設等の調査をしっかりとして、空室を生まないプランニングをすることで空室対策が出来ます。

自宅部分がメインだとしても、市場調査・プランニングを疎かにしてはいけないのです。

また、自宅をメインとする場合、儲けようとし過ぎないことも重要です。

あまり儲けようとして無理な賃料設定をするより、「賃貸が住宅ローンを少しだけ払ってくれる」くらいの気持ちで経営した方がベターかと思います。
「返済全てを賄えたり、おつりがくるケースはかなりの大ラッキー」という気持ちでスタートするのがいいでしょう。

もちろん、賃貸部分が大半を占めるような計画の場合は、また話は別ですが。

デメリット② 賃貸入居者とのトラブルの可能性

賃貸併用住宅ということは、同じ建物に施主世帯と賃貸世帯が共存することになります。

当然通常の賃貸アパートと同様に入居者間のトラブルが発生する可能性が生まれます。

施主世帯、入居者世帯の双方のプライバシーを守る観点から、入口への動線を分けたり、目隠しを設置したりすることが有効です。

また、賃貸併用住宅において上下階の音のトラブルもよく聞きます。
「施主世帯が上の階で、お子さんの走り回る足音が・・・」というのが多く感じます。

他にも「ペット不可だけど、オーナーだけペットを飼育している」なども・・・

入居してもらって住宅ローンを肩代わりしてもらっているのです。オーナー様の意識の持ち様も大事な対策の一つと言えます。

またある程度は、建築段階で想定できるトラブルは予防できる設計を心がけましょう。

賃貸併用住宅を建てることに慣れたハウスメーカーを選ぶことも重要です。
当店では建築会社のご紹介や、プランニングのコンサルティングは無料です。ご相談ください。

デメリット③ 管理が大変

特に住宅ローンで建てた様な賃貸併用住宅ですと、戸数が少ないことから気軽に自主管理をするオーナー様は非常に多いです。

賃貸管理は、募集・集金・入居者管理・クレーム対応・日常清掃等など・・・多岐に渡ります。

気軽に自主管理してしまうと大変な苦労をすることでしょう。
何か本業を持たれている場合、急なクレーム対応等も不可能です。

戸数が少ないからと軽く見ず、管理会社を頼ってください。

管理業務は全てを委託することも、一部を委託することも可能です。
ご自身の状況にあわせて、しっかりとプロに相談をして判断しましょう。

また、上記した入居者とのトラブルとも重なる部分がありますが、賃貸併用住宅で非常によくあるのが、

「鍵を忘れた(無くした)から開けてくれ」といった、入居者からの開錠の依頼です。

一度言うことを聞いてしまうと気軽に鍵当番にされてしまいますし、断るのも変に角がたって嫌ですよね・・・。

「管理会社に任せているから鍵は持っていない。ごめんね。」の返答を用意しておきましょう。

まとめ

今回は賃貸併用住宅についてメリット・デメリットとそこから浮かび上がる注意点・対策についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

最後に簡単にまとめます。

メリット
①住宅ローンを利用できる(条件有り)
②複数世帯住宅の空室部分を活用できる
③建築後の返済や相続税の負担減
④土地を余剰なく有効活用
(おまけ)公務員の副業にも

デメリット
①空室リスクに注意 → プランニングや市場調査をしっかり!
②入居者とのトラブル → 動線を分けたり、オーナーの意識改革を!
③管理が大変 → 賃貸管理会社を活用しましょう!

賃貸併用住宅は、自宅のみを建築する場合や通常のアパート・マンションを建築する場合と比べて、非常に大きく利点があるケースも多々あります。

これらのメリット・デメリットや対策をしっかりと理解し、あなたの新築計画を見直してみてはいかがでしょうか?

再三お伝えしますが、賃貸併用住宅でも市場調査・プランニングは超重要です!

当店へのご相談、お待ちしております。



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