まもなく施行!サブリース重説義務化など、管理適正化の法律

まもなく施行!サブリース重説義務化など、管理適正化の法律

まもなく施行!サブリース重説義務化など、管理適正化の法律

どうも、なば屋のモノグサ店長です。

いきなりですが「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」はご存知ですか?

令和2年6月に成立した賃貸管理業務に関する法律なのですが、10月に閣議決定されました。
(国交省の広報→https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo16_hh_000001_00002.html

この法律によりサブリースや管理委託契約の重要事項説明が義務化され、管理戸数が一定以上の管理業者は国土交通省への事業登録が必要となります。

この法律が成立する背景には、
・単身世帯の増加や外国人居住などによる賃貸住宅の重要化
・サブリースの契約条件誤認(家賃改定など)によるトラブルの増加
・賃貸経営の方法としてサブリースを選択するケースの増加
などがあるのですが、特に家賃改定やその他契約条項等の説明不足によるトラブルの増加が社会問題となり、ここに対策するための法律として注目を浴びています。

余談になりますが、単身需要の増加については、以前も記事の中で触れさせていただきました。
「コロナ禍でも1K・1Rには影響無し、って本当?居住用不動産投資のこれから https://nabaya-consulting.com/archives/476

今回はこの法律について簡単にご説明し、私の思うところをお伝えしていきたいと思います。



施行するとどう変わる?

賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の成立には、賃貸管理契約(特にサブリース)の契約内容誤認によるトラブルの増加が背景にあるとお伝えしましたが、様々なニュースなどで見かけたり、場合によっては自ら体感したりして皆さんも覚えがあることでしょう。

特に賃料改定についてが最も大きな部分かと思います。

サブリース契約においては数年おきに保証賃料の改定があるのが一般的です。20年・30年家賃を保証するのですから、ある程度タイミングタイミングで保証賃料を下げていかないと管理会社は成り立ちませんし、交渉に一切応じて貰えないのであれば場合によって解約をしなければならないケースもあります。

ですが、こういった前提をちゃんと説明しなかったり、書面でも残さなかったりしてサブリース契約を案内する業者が残念ながら多くあったことで、オーナー様側は契約内容を誤認(「ずっと変わらない賃料で保証してもらえる」「管理会社からの解約はない」など)してしまい、その結果賃料改定のタイミングでトラブルが発生したりするのです。

サブリース契約については過去記事で内容をご説明しておりますので、あわせてご確認ください。
「集金代行とサブリース?その違いとそれぞれのメリット・デメリット https://nabaya-consulting.com/archives/417

ちなみにですが、私が賃貸管理会社に勤務していた時代、相当数の賃貸物件の賃料改定や交渉にも携わっていました。
また機会があれば、賃料改定の内容や交渉,裏話についてなど記事にしてみようと思います。

賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律

こういったトラブルは様々なメディアでも取り上げられ、賃貸経営に携わるのであれば皆さん覚えのあることでしょう。

その解決策としてこの12月に施行される「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が注目を浴びています。
(※注)法律の中のサブリースの部分の施工は令和2年12月、一般管理や管理業者の事業者登録等は令和3年6月を予定されています。

ここでは特に問題の大きいサブリースに関わる部分を簡単にかいつまんでご説明します。
尚、施行令の全てを詳細に確認したい方がいらっしゃれば、冒頭ご案内した国土交通省のリンクからPDFファイルを見られますので、そちらをご確認ください。

この「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」がサブリースに規制をかける部分は大きく分けて2つです。

ひとつは不当勧誘の禁止です。

サブリース契約締結時に、保証賃料の改定・減額リスクがあることや、解約条項についてなど、相手方の契約に対する判断に影響のある重要な事項について故意に事実を告げなかったり、不実を告げたりすることが禁止されます。
また、広告においても、明らかに事実と違っていたり、事実よりも優良と誤認させるようなものが禁止されます。
(具体的には「賃料見直しがあることに触れず、30年家賃を保証することを案内する」等)

もうひとつは重要事項説明の義務化です。

管理事業者はサブリース契約締結の前に、サブリース保証賃料や賃料改定・維持保全の実施方法・契約解除のかかわる事項等、重要な事項について書面を交付して説明する義務が発生します。

トラブルは減るか?

この法律が施行されることで、今後サブリースの契約内容誤認自体はかなりの数減ると思われます。

一方で、実は誤認していないけど発生しているトラブルもあるので、一概にトラブル自体が無くなるとは、個人的には何とも言い難いところがあります。

例えば、多忙を理由にサブリース契約を締結しているオーナー様にとって、物件に割く時間が無い以上、大幅な減額を提示されても受け入れざるを得ないでしょう。

それでも、そういったリスクを理解することで意識が変わって、リスクに対する打てる手を打とうとする様に、オーナー様も変化していくのではないか、と期待しています。

また、不正・不実を行う管理事業者側はある程度排除されていくことは間違いありません。

事業登録制度

ここでは触りだけ触れます。

この「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」では、上記したサブリース契約に関わる部分と、一般管理や賃貸管理事業者の事業登録制度の部分とに分けられます。

管理戸数が一定数以上(200戸以上の見込み)の管理事業者は国土交通省に事業登録することが義務付けられ、それとあわせて「業務管理者の配置」「管理受託契約締結前の重要事項の説明」「財産の分割管理」「定期報告」が義務付けられます。

詳しくは、国土交通省のリンクをご覧ください。



おわりに

「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が施行することからも分かるように、賃貸管理においてトラブルは残念ながら尽きません。

一方で過去の記事でもお伝えしましたが、賃貸管理会社は絶対に必要だと私は考えます。
「賃貸管理会社って必要?自主管理のメリット・デメリット https://nabaya-consulting.com/archives/704

個人的には、この様な法律が出来てくることは不誠実な業者を減らすしたり、オーナー様を保護するという面で良いことだとは思いますが、一方で少し寂しい思いもあります。

この様な法律が無くても誠実にちゃんとやってる管理会社はありますから。

逆に、法律が出来てもグレーゾーンを攻めに攻めて不誠実にあろうとする様な残念な業者もやっぱりあるでしょう。

正しい目で、管理会社を選びたいものですね。
管理会社の選び方については「良い賃貸管理会社を選ぶための大事なポイント,注意点 https://nabaya-consulting.com/archives/574」こちらをご覧ください。

また、もし管理会社選びや管理システムについて迷った場合は、是非問い合わせフォームから当店に相談してみて下さい。
無料でアドバイスを致します。



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