賃貸オーナー様必見!管理会社の賃料査定の裏側!

賃貸オーナー様必見!管理会社の賃料査定の裏側!

賃貸管理会社はどうやって賃料を査定している?

皆様、こんにちは。

今回の記事は、店長ぶっちゃけます!!!

賃貸オーナーの皆様や、場合によってはアパートの建築会社の営業マン、管理会社の新人さん、等々、賃貸管理会社の賃料査定の計算方法や、その裏側について気になっていることかと思います。

私もこれまで、少なく見積もっても1,000件以上の賃料査定をやってきましたが、私自身の賃料査定の経験や、同僚上司部下など管理会社営業マンの賃料査定を数多く見てきた経験を踏まえて今回・・・

賃貸管理会社はどのように賃料査定をしているのか!?

賃料査定はどこまで信じてよいのか?
(サブリースの場合・集金代行の場合)

実はこんな裏側が!?

といった内容をお伝えしていきます。

記事執筆開始現在の時点でも、皆様にとって有益で、楽しい記事になることを確信しておりますが、多少ご説明が長くなってしまうかもしれません。

ご自身の楽しめそうな部分を、ページをスクロールしながら飛ばし飛ばし楽しんでいってもらっても結構です!

是非、最後までお楽しみください。



賃貸管理会社の賃料査定の方法

私自身の賃料査定の経験や、同僚上司部下の査定、また競合管理会社等から見聞きした話を基にお伝えします。

先に申し上げますが、全ての管理会社の査定方法を存じ上げているわけではありませんし、私のお伝えする内容とは全く違った査定方法の管理会社さんも、もしかしたらあるかもしれません。
予めご了承下さい。

さて、本題に入ります。

賃料査定の方法といっても、実はその査定依頼がどういった経緯で、どういった状態で届いたかによってパターンが変わってきます。

例えば、

①どこに何を建てるか、建物のプランまできっちり決まっている場合
②場所は決まっていても建物プランが決まっておらず、建築プランと一緒に査定を考える場合

この2パターンだと、進め方も計算方法も大きく変わってきます。

この記事を訪問されている方の多くは、①のパターンを知りたい方が多いでしょうから、まずはこのパターンについてお伝えしていきます。

建物プランまで決まっている、又は既に出来上がった(近々竣工も含む)建物の賃料査定

管理会社にとっても、オーナー様にとっても理想的なパターンは、建築プランを固める前に市場性を踏まえて計画を練っていくことです。

詳しくは → 「賃貸経営は独立したコンサルに相談した方がいい理由」「あなたのアパート経営がピカピカの新築でも失敗する可能性が高い理由

ですが、実際に最も多い賃料査定のパターンは、金融機関や建築会社・あるいはオーナー様からプランの出来上がった建物についての賃料査定のご依頼です。

例えば、

場所:○○市□□町1丁目1番地1
24㎡の1Kが8世帯の2階建て木造アパート

こういった計画だとしましょう。

①おおまかなエリア賃料の把握

まずは当然ですが、インターネットから現在募集の出ている「近いエリア」で、尚且つ「同系統」の賃貸物件の募集賃料についてリサーチします。

この例の場合ですと、最初は□□町1丁目、まで絞り込んで探します。
物件の件数や、物件タイプのばらつきなどに応じて、隣の丁目、隣町、○○市内、隣市まで調査することも多々あります。

ここで、ほとんどの担当者が最も利用するサイトはレインズです。

<予備知識>
レインズ(REINS)
国土交通省より任命を受けた不動産流通機構が運営している不動産のネットワークシステムのことで、「Real Estate Information Network System」の略。
指定流通機構の会員である不動産業者はネットワークシステムを通じて、リアルタイムでの賃貸不動産や売買不動産の情報を交換することが出来る。その他成約事例の照会も可能。
利用できるのは登録業者なので、一般の方がインターネットで情報を照会することは出来ない。
(上記した「賃貸経営は独立したコンサルに相談した方がいい理由」内でも同様のご説明をしております。)

レインズや、その他ポータルサイト(ホームズやアットホーム等)を利用し、現状競合となりそうな賃貸物件について見比べます。
このリサーチが「競合物件の現状の賃料の調査」で終わってしまう営業マン・コンサルティングはダメ担当です。
(もし分かったら、突っ込んで考えを改めてもらうか、他の担当に代わってもらいましょう)

レインズを最も使う理由の、最も大きな点は「成約事例が見られること」です。
一般の方が見られないシステムですので、画面をお見せできないのが残念ですが、レインズでは、過去物件の成約事例を見ることが出来ます。

しかも、募集開始時賃料や募集開始時期・成約時期などを見ることが可能です。

そこから、競合物件が、どんな時期に出て、どういった募集賃料の推移を経て、どのくらいの期間で成約したのか、を見ることが出来るのです(途中で募集を一旦消して出し直したりしているケースもあるので、一概に全部正しい情報が手に入る、というわけではありませんが)。
これを参考にしない手はありませんよね。

オーナー様にとってポジティブでもネガティブでも、ちゃんとシビアに査定することが賃貸管理会社には求められますから、ここで手を抜く担当者は最低です。

こういった、現状の競合物件の募集賃料や成約事例から、査定をする賃貸物件のおおよその「目安になる賃料」を頭の中で想定します。

今回の上記した例の物件で、仮に「まあ50,000円前後かな」という想定だったとしておきましょう。

②現地や周辺エリアの市場性の調査

こういった、目安になる賃料を頭の中で想定した上で、エリアの市場性の調査を行います。

簡単に言うと、

ターゲットとなる入居者はどんな層か

周辺の利便性はどうか

等です。

市場調査の為のツールも利用します。
私がよく利用していたのはアットホームさんの加盟店サイトで、国勢調査の内容や、周辺施設、人口、世代の分布等々、様々な情報を調査します。

この内容で、実際のエリアの主たるターゲット層、強いターゲット層を絞り出し、建物のプランがこれに合っているのかどうかで、目安となっている賃料に補正を加算・減算します。

そこから現調(現地調査)です。

この現調がとても大事で、私の場合、車で現地に行って見てくるだけでなく、周辺を歩き回ってみることや、最寄駅から実際に歩いて現地に行ってみることを大事にしています。

入居された方は実際にその周辺で生活をするわけですし、駅からの動線上にどういった施設があるのかを知ることはとても重要な調査項目の一つです。
このとき予め調べておいた競合物件を見てきたりもするのですが、画面上では分からなかった競合物件の良い点・悪い点も見えてきます。

こういった調査を経て、周辺の生活利便性や、施設・街灯等から道の暗さ、街の防犯面での良し悪し、ターゲット層に街が合っているか、など諸々を検証し、これまで想定してきた目安賃料の妥当性を確認します。

当然ここでも、状況によって加算・減算をしますが、こういった背景も踏まえて出来上がった相場賃料を基に目安をはじき出しているため、実際には確認作業となることが多いです。

③設備や間取り等での加算・減算

ここまで設定・確認してきた目安賃料に、そのプランの設備や間取り等から加算・減算をしていきます。

例えば、以前の記事(賃貸建築の注意点!賃貸管理のプロが思うプランニングの時に気を付けて欲しいこと)でもお伝えしたことがあるのですが、「トイレの位置がどうしてもここなら査定減額かな」とか「1Kでこの設備を入れてくれているなら査定増額かな」といった事を、詳細に検討していきます。

窓の方角や水回りの方角、室内の生活動線などもこの時に検証します。

今回の例のケース(1Kアパート)ですと、例えば浴室乾燥機が付いていたりすると、比較的増額しやすいです。
他にも、個別に区画分けされた屋根付き駐輪場が付いていたりすれば、高評価ポイントだったりします。

この加算・減算については、管理会社によっては「この設備があるならプラス○○円」「この設備がないならマイナス○○円」などと、きっちり決まっている管理会社もあります。

④建物内の配置による調整

ここから、同じ建物内での差をつけていきます。

私はよく「棟内バランスを調整する」という様な言い方をします。

例えば、フロアの賃料差や、角部屋と中部屋の賃料差を調整します。
もちろん、棟内で部屋の広さやタイプが色々ある場合、それも勿論棟内でバランスを調整します。
棟内で採光の向きが違ったりする場合、これも検討します。

今回の例の場合、話をシンプルにするため、全て同じ間取り・全て同じ向きアパートだと仮定しておきます。

ここまでの調査の結果、1階の中部屋の賃料を50,000円と設定したとして、下記のような賃料設定に各部屋ごとの調整をかけます。

2F木造アパート賃料一覧

ここでは、角部屋と中部屋の賃料ギャップは1,000円、1Fと2Fの賃料ギャップは2,000円と設定し、この様な賃料一覧としました。

実際には、建物のプランやエリア等によっても、中角のギャップもフロアギャップも変わっていく数字かと思っておりますので、一概に1,000円・2,000円、というわけではありません。

管理会社によっては、「こういったプランならフロアギャップは〇○円」と定めているところもあります。

 

と、ここまでが大まかな賃料査定の流れです。

実際には、ここから交渉が入ったり、賃料を増やすための設備の打ち合わせをしたり、他社の査定の情報を得て再度調整したり、といったフェーズに移っていきます。

プランが決まっていない時の査定

続いて、先にお伝えした「理想的な方の査定」です。

建築プランがまだ決まっていない状態で相談を受けた場合、目指す収支目標(目指す査定賃料)から建築プラン作りをすることが出来ます。

「賃料がいくら以上欲しい」「予算は〇○円に抑えたい」「この拘りは捨てられない」

基本的な査定の仕方については変わらないのですが、こういった条件から、目指す賃料とターゲット層を絞り出し、そこからプランを作っていけるということです。

要は、上記した査定の流れを逆走(賃料設定→ターゲット設定→プラン設定)していけるわけです。

絶対こっちの方が有利ですよね。
これが、度々私が記事でお伝えしている「賃貸計画を最初に相談するのは建築会社や土地業者じゃないですよ」という理由の一つです。

査定賃料はどこまで信用できる?

さて、こういった流れで作ってきた賃料査定ですが、どこまで信用していいものでしょうか。

実際に賃料査定書だけを見て査定の信憑性を判断するのは、なかなかハードルの高い事かと思います。

また、その査定がサブリース賃料なのか、それとも集金代行賃料なのかでも見方が変わってきます。
(参考→集金代行とサブリース?その違いとそれぞれのメリット・デメリット)

サブリースの場合

サブリース契約の場合、査定賃料はそのまま収支に直結する数字ですので、その信憑性をしっかりと見極める必要性がとても高いです。

ここで気を付けなければいけないのは、「収支が高くなるからといって高い数字だったら納得すればいい」というものでもない、ということです。
もちろん、すごくいい数字で20年等の長期間固定で管理会社からの解約もない、というものだったらその管理会社に任せればいいと思いますが、そんなことはまずありません。

賃料見直しもありますし、場合によっては解約もあり得るのがサブリース契約です。

また、賃貸経営は中長期間で利益を上げていく経営です。
当然、収支は計画を立てて、長い目で見ていく経営スタイルになります。

査定賃料がいいからといって、無理した査定賃料のサブリース契約を結んだ場合、途中で大きな見直しが入ることによって計画が破綻してしまう可能性もあります。

査定の根拠や、口頭でもいいので今後の賃料推移の見通しについて、伝えてもらってからが検討スタート、と心得て下さい。

また、保証賃料の免責期間や、査定賃料の保証期間、その他費用の按分の仕方、どういった部分で管理会社負担が発生するか、等についても確認しておきましょう。

ちなみに、サブリースについては規制法の改正などもありました。
参考記事も置いておきますので、後程で結構ですのでご参照ください。

【オーナー様へ】サブリース規制法施行されています!注意喚起リーフレットも読んでおきましょう!

実際に、やはり確認しなければならないことが多いですので、困ったら当店に相談してみて下さい。

無料でアドバイス、場合によってアイミツ業者をご紹介致します。

集金代行の場合

集金代行(一般管理)の場合は、ケースバイケースです。

というのも、集金代行はその性質上、査定賃料はそのまま収支に直結する数字ではありません

賃料が保障されるものではなく、実際の成約賃料に対して管理料率が定められ、収支が確定します。

ケースバイケースというのは具体的には、

例えば、実際の賃料相場が50,000円の物件だったとして・・・

①「相場は50,000円ですが、募集はもう少し高めからスタートしましょう」という意味合いの、55,000円の査定

②「相場は50,000円です。実際には成約は前後することもあります」という意味合いの50,000円の査定

③「相場は50,000円です。この辺のラインまでには成約する可能性がかなり高いと思います」という意味合いの45,000円の査定

これら、どのパターンの査定も存在します。

大事なのは、どういう意味合いの査定なのかをちゃんと理解してから検討することです。


実は賃料査定にはこんな裏側も!?

ここまで賃料査定の方法をお伝えしてきましたが、皆様が思っていたよりも「結構大変なんだな」と思いませんでしたか?

そう、賃料査定は、結構大変なんです。

ですが、中には10分、場合によって1分で完結する賃料査定もあります。
もちろん、既に一度査定をしている物件の、条件調整の再査定なんかもそれにあたりますが、ここでお話しするのはそういうことではありません。

代表的なケースは、2つあります。

1つは、オーナー様からの要望を含んだの集金代行の場合。

例えば、オーナー様から「相場は分かっているんだけど、最初は〇○円くらいからスタートしたいから、この金額で査定を作ってもらえますか?」などの要望を頂いた場合。

この○○円が著しく相場から逸脱したものでなければ、要望通りの査定書を作るケースもあります。

尚、サブリースの場合は、その契約の性質上当然ではありますが、管理会社はオーナー様からの要望をそうそう引き受けるわけにはいきません。

もう1つは、アイミツ(競合他社の相見積もり)の情報が予めあって後出しじゃんけんをする場合です。

実は(あまり大きい声では言えませんが)、特にサブリース契約の場合に多いのですが、アイミツ査定の情報を事前にもらって、合わせ撃ちをすることが結構あります。

ここでは簡潔にご説明するため、免責や諸々の条件は除外して賃料だけでお話ししますが、例えばアイミツが50,000円で出てますよ、という情報を基に、51,000円で後出しする様な感じです。

この時、51,000円はやはり実際の相場よりも若干高めになってしまうことが多いのですが、サブリースの手数料の中で相殺がきく範囲内で尚且つある程度の期間保証賃料を維持してもセーフ(赤字にはならない)であれば、競合の条件に上乗せして査定書を作成することは多々あります。

査定のためには、様々な検討や現地の調査が必要ですが、査定の数をこなしている人の頭の中には、大体のエリアの相場が入っています。
こういったケースの場合、その頭の中の相場と見比べるだけで、さっと査定を作っちゃうわけですね。(私の場合は、このケースでも必ず現調は行うように意識していますが)

気を付けなければならないのは、スタートだけ管理を獲得するために高めで後出しじゃんけんして、後々大きく見直すことを前提に置いてるような悪質な業者・担当者もいます。

実際に数多くの賃料査定をしてきたり、色んな物件や色んな管理会社を見ていくと、ここは結構見抜けるものですが、残念ながら皆様にはなかなか判断の難しいところかと思います・・・。

最後に

今回の記事では、賃貸管理会社のアパート・マンションの賃料査定の方法や、その裏側についてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。

最後に特にお伝えしたいのは、やはりサブリース絡みの賃貸管理の契約は色々と難しく、ご自身だけで諸々の判断を下すのが難しい、ということです。

査定書の見方や、その管理会社,担当営業マンの良し悪し、今後の見通し等、しっかりチェックしなければならない点が、本当に多岐に渡ります。

ちなみに、管理会社の良し悪しの判断については、私も以前記事にしていますので、良かったら参考にしてみて下さい。

良い賃貸管理会社を選ぶための大事なポイント,注意点

今お読み頂いたこの記事よりだいぶコンパクトな記事ですので、すぐ読めると思いますよ!笑

ご自身で正しい管理会社の選び方を知っておくことはとても大事ですし、あなたの今後の賃貸経営に必ず役に立つものかと思います。
ですが、やはり一番効果的なのはブレーンを付けることかと思います。

当店は無料であなたのブレーンになります!

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